63 蜥蜴
三谷さんはやたらと横に並んで歩こうとするけど、咄嗟に守れる自信がないので後ろからついてきてもらう。
「ショーゴさ~ん、ここってインスタントダンジョンなんですよね~」
「そうだと思います。三谷さんは落ち着いてますけど潜ったことあるんですか?」
「いいえ、でもショーゴさんが守ってくれるでしょ~」
確かに、この状況下では守らざるを得ないけど、どこからその信頼はくるのやら。
それより、さっそくモンスターだ。
数は2体。
あれは蜥蜴?
ワニを大きくしたようなモンスターがゆっくりと動いている。
はじめてのインスタントダンジョンに予備知識がないのでモンスターの強さはわからないけど、動きが速くはなさそうなので組みやすくはありそうだ。
「三谷さんはここにいてください」
「はい♡」
幸いにも蜥蜴はこっちに気づいた様子はない。
「火の粉より生まれし炎の子よ、我を遮るものを焦がし燃やしつくせ『炎塵』」
ちょっとせこいけど、三谷さんもいるし陰から魔法を発動する。
おっ、効果はある。
着火した蜥蜴がバタバタと激しくのたうっている。
このまま息絶えるのを待つのもアリだけど暴れて他のモンスターが集まってくるのは避けたい。
俺は飛び出して、燃える蜥蜴へと走りロングソードを振るい斬りかかる。
俺の方が速い。
蜥蜴が避けることを許さず刃を突き立てる。
硬質な手ごたえが手に伝わってくる。
硬い。かなり硬い。
「うおおおりゃあ」
力技で刃を突き通す。
あと一匹。
よく見ればさっきのとは若干種類が違うのか色もサイズも違う。
さっきのは黒かったが、残っているのは茶色く一回り大きい。
動きは、黒いのとそう変わらないようにも思えるが大きい分だけふり幅が大きいので注意は必要だろう。
蜥蜴へと走る。
蜥蜴の目は横についているので側面から斬り込んでも効果は薄そうだ。
正面から突っ込む。
「うおおおおっああ」
硬い。
ロングソードを振るうが表皮を削っただけで肉を断つまでは至らない。
黒いのも硬かったけど茶色い方は輪をかけて硬い。
金属製の刃が通らないってどんだけ硬いんだ
茶色い蜥蜴が口を開く。
「ガアアアアアアアッ」
咆哮とともに口からは尖った岩の塊が現れ、こちらに向けて放たれようとしているのが見えた。
魔法⁉
しかもこの近距離で⁉
放たれるタイミングをはかることなく咄嗟に身体を沈め前方へと滑り込ませる。
直後放たれた岩の塊が壁を穿つ。
俺は開いたままの蜥蜴の口にロングソードをねじ込み内部から蜥蜴の首を掻っ捌いてやった。
さすがの蜥蜴も内部は普通に柔らかかったので助かった。
それにしてもインスタントダンジョンって普通のダンジョンのモンスターより強くないか?
俺的には楽しいからいいけど。
「は~いショーゴさ~ん」
「ん?」
「これ、ドロップした魔石だよ~。なんか大きくないですか~?」
三谷さんが拾ってくれた磨石、確かに大きい気がする。
小さい方でもヘルハウンドのものより大きい。
それにもう一方は明らかに大きいし、なんとなく色も濃い気がする。
もしかしなくても高く買い取ってもらえそうだ。
今のところほかのシーカーも見当たらないし、もしかして美味しい稼ぎ場だったりする?
これは期待できそうだ。
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