45 帰るまでが戦い
あ~~疲れた。
楽しみ過ぎて、限界までやってしまった感がある。
ソロとしては失格かもしれないけど、これは仕方がないな。
とにかく地上まで戻らないといけないし、休憩しよう。
俺は落ちた魔石を拾い集めながらその場で休みを取る。
“かった~~~~”
“レッサーリッチをガチで倒しちまった”
“しょーご何級? E級? 絶対嘘だ”
“配信でこんなに疲れたのは初めてだ。ヤバイ”
”濃い、濃すぎ”
“マジヤベエ。ショーゴヤベエよ。ヤバイしか出てこない”
“でもなんでEランクダンジョンにレッサーリッチが?”
“完全なイレギュラーだろ”
“ショーゴってバトルジャンキー?”
“間違いない”
“とんでもねえ。それは間違いな。途中で笑い声入ってたし”
“あ~聞こえたわ。俺だけの幻聴かと思ったけどそんなはずなかった”
“普通はちびる”
あ、忘れてた。
戦いに夢中で配信まで気をまわす余裕がなかった。
途中から、立ち位置も映えも完全に忘れていた。
配信者としては失格だ。
「あ~~っ、視聴者のみなさん、終わりました。なんか召喚使うスケルトンが出まして楽しく戦うことが出来ましたがいかがだったでしょうか? それでは、これから地上に戻りたいと思います」
見間違いかと思ったけど視聴者数が1200となっていた。
完全に解説するのを忘れてたのにこの数。
やっぱり視聴者さんも戦うシーンが大好きなんじゃないだろうか。
そろそろ行くか。
いくら小さいとはいえ魔石も150以上あると結構重い。
それともうひとつ。
おそらくは、ドロップアイテム。
ホブゴブリンの棒以来となるが今回は棒ではない。
残されていたのは指輪。
特に意匠があるわけでもない、何の変哲もない銀色の指輪。
今の俺ではこれがどういうものなのか判別することは叶わない。
おそらくはあのローブのスケルトンが残したものだろう。
スケルトンから出た指輪だし、つけて呪われたりしたら大変なのでポケットに入れて持ち帰ることにする。
身体は重いけど、休憩したおかげでどうにか動く。
正直集中力も切れてしまっているけど帰るまでが肝要だ。
たかだか一度の戦闘で、これとは、まだまだだ。
何とか周囲への注意を捻りだし、どうにか地上まで戻って来ることに成功した。
「まだだ」
ここからバイクに乗って帰らないと。
今日は疲れたので買い取りは明日してもらおう。
まずい眠くなってきた。
ダンジョンの入り口や駐車場で眠るわけにはいかない。
ダンジョンの前が家だったらいいのに。
どうにかこうにか眠気をごまかし、何とか家まで辿り着くことに成功した。
「省吾おかえり」
「ただいま。今日はちょっと疲れたからご飯はいい。シャワー浴びたら寝る」
「そう? 無理しないでね」
「ああ、大丈夫」
母親にはそう答えたけど、今日はちょっと無理しすぎた。
自分の限界を知る上ではよかったのかもしれないけど、帰ってくる体力は残しておく必要がある。
その事を痛感してしまった。
ダンジョンからの帰り道が厳しかった。
俺は、シャワーで汗を流すと、自分の部屋へと戻りベッドへとダイブした。
いつの間にか意識は途切れ、深い眠りについたようで、目が覚めると時刻は翌朝10時30分を回っていた。
完全に寝過ごしてしまった。
思った以上に昨日は疲れてしまっていたようだ。
まだレベルも低いし体力も自分で考えているより高くはないんだな。
ただ、しっかり寝たおかげで調子は上々だ。
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