40 再利用
「火の粉より生まれし炎の子よ、我を遮るものを焦がし燃やしつくせ『炎塵』」
数が多いので先制攻撃が肝要だ。
魔法の効果は絶大だ。
ポーンスケルトンの一体が動きを止め、灰となる。
「よし!」
残るポーンスケルトンの数は十四。
囲まれないよう動き回りながら順番に斬り伏せていく。
一度に複数を相手にすれば危険度が増す。
そうならないよう位置取りを考えながら走る。
俺のスキル『ホークアイ』は、戦場を俯瞰で捉えることが出来る。
ダンジョンのような限定された空間であれば全体を把握することが可能だ。
それもあって、ポーンスケルトンとの戦いを有利に進めることが出来ている。
足を止めずにポーンスケルトンを斬り伏せていく。
スピードの乗った状態から繰り出されるロングソードの刃は少々狙いが外れ、防具に当たったとしてもそのまま断ち斬るだけの威力を発揮している。
いい感じに乗ってきた。
「おっ」
調子に乗っていたら、ポーンスケルトンに止められてしまった。
「うおおおおっ!」
めいっぱい力を込め押し込むが、残念ながら力はポーンスケルトンの方が上らしい。
止まるのはダメだ。
すぐに切り替え反転して、反対側の胴体に向け刃を叩き込む。
「ふ~~っ、次!」
時間にすれば10分程度だったかもしれない。
だが、俺にとっては濃密な時間。
その場には十五個の魔石が残されている。
今度こそ、そのすべてを拾いあげる。
その魔石は明らかに通常のスケルトンのものよりも大きい。
おそらくオークのそれよりも大きい。
つまりは買い取り価格も期待できるという事だ。
ヤバイ。
美味し過ぎる。
10分ちょっとでこの成果だ。
これは再利用しない手はない。
10分程度の戦闘でもそれなりに消耗はある。
小休止を挟み、再度罠の出っ張りを踏んでみる。
キタ。
再度、魔法陣が現れそこからは先程と同じくポーンスケルトンが15体。
先程同様『炎塵』を放ち先制する。
そして、残りの個体へと斬りかかる。
ポーンスケルトンが経験値を蓄積するというということはないようで先程とほぼ同じパターンで問題なく倒すことが出来た。
3度目の罠を起動させてから、この日のダンジョンを切り上げる事にした。
理由は、MPと疲労の蓄積。
気持ちは乗っているがレベル6の身体は、この数の敵を相手に何度も戦えるほどは整っていないらしい。
おそらくもっとレベルが上がれば無限に繰り返すことも可能になりそうだけど今はそうではない。
無理をする必要はない。帰りのことも考え、今日はこれで引き揚げる事とした。
それにしてもいい狩場を見つけた。
とにかく明日以降も同じ場所に罠があることを祈るばかりだ。
今回の買取金額を知りたかったので地上に戻ってからバイクで事務所まで直行しいつもの受付の人へと取り出した魔石を渡す。
「今日はまた数が多いですね。しかもほとんどがEランク上位ですか」
「たまたまです」
「……たまたまですか」
「はい」
しばらく待つと今日の受取金額が確定した。
この日の稼ぎは20万円に迫る勢いだ。
ポーンスケルトンの魔石は1個4000円だった。
つまり今日の罠を一踏みすると1回の戦いで6万円が手に入るという事。
ヤバイ。
普通にヤバイ。
最低でも45匹のポーンスケルトン。それに行き帰りに戦ったスケルトンとオークの数が加わる。
今後あれを繰り返すことが本当に出来るならバイク代くらいならすぐに取り返すことが出来そうだ。
俺はほくほく顔で帰路へとついた。
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