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前世の俺は「ここは俺にまかせて先にいけ~~~!」と叫んで死んだらしい  作者: 海翔


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4/10

それでも腹は減る




走る気はある。

2大欲求が身体を突き動かす。

動かすのに身体が動かない。

まるで水の中を走っているかの如く身体が重く前に進まない。


「ひぃひぃ、ひぃ」


情けない。

情けないけどこれが今の俺。

ここからだ。

ここから。

そう念じながら必死で身体を動かす。

時間にして30分くらいだろうか。


「もう無理……」


気持ちとは裏腹に俺の身体は限界を迎え走ることはかなわなくなってしまったので歩いて家へと戻る。

イメージと身体が重ならない。

まるで数百キロの重りを背負っているかのような重さだ。

既に身体からは滝のような汗が流れだしている。


「ただいま」

「え? え? どういう」

「母さん、俺ダンジョンシーカーになるから」

「え? 省吾? ダンジョンシーカー? え?」

「これまで迷惑かけてごめん。これからしばらく身体を鍛えるから」

「え? え? なに?」


まあ、母親が混乱するのも仕方がない。

2年間引き籠ってたのがいきなり外で走って来たんだから。

身体は動かなかった。

以前からそれほど俊敏ではなかったのが、更に脂肪を付け鈍重になっていた。

だが、蘇ったガッシュファルトとしての記憶が出来ると感じていた。

たった30分走っただけで今までと違う世界が開けたような気がする。

距離にしておよそ2Kmないくらいだろう。

正直たいした距離ではないが、それはヒキニートの俺が前に進んだ距離だ。

その僅かな距離、進んだ分だけ今までの俺とは違った。

自分でもはっきりと認識できるくらいに今の俺は前を向いている。

大量の汗をかいて気持ち悪いのでシャワーを浴びてからは筋トレに励む。

筋トレと言っても部屋でできる事は限られている。

床はごみであふれているのでベッドの上で腕たてふせと腹筋。そしてスクワットだ。

ガッシュファルトは日課として数百回をこなしていた。


「よし、やるか。ふっ。ふ~っ」


スクワットは思ったより回数を稼げた。

この巨体を支える脚にはそれなりの筋力が備わっていたようだ。

ただ、腕立て伏せと腹筋はダメだった。

腹がつかえて一度も出来なかった。


「まあ、そうなるか」


この腹じゃあ無理もない。

筋トレもままならない状況に、この腹の肉が、本当になくなるのか一抹の不安がよぎる。


「ぐうう~」


ほとんど動けなかったというのに食欲だけはある。

しかも強烈に腹が減ってしまった。

強い身体を手にするには食事が大事だ。

いい筋肉にはいい食事。

それは絶対だ。

だけど、今の運動量に対しては食欲が旺盛すぎる。

ここは我慢だ。

運動量が増えれば食事量も増やせばいい。

ここは我慢だ。


「ぐううううううう~」


我慢だけど、キツイ。

目いっぱい食べてしまいたい。

心頭滅却。

窓から見える雲が綿あめに見える。


「うまそうだな」


2年ぶりに僅かばかりの運動をこなし、食事を少し控えたら冗談のように腹の虫が鳴いた。


「ぐうううううう~」


「省吾? やっぱりどこか悪いの? 大丈夫?」

「大丈夫だよ。ちょっとダイエットしてるだけだから」

「ダイエット⁉︎ 本当に大丈夫?」

「本当に大丈夫だから」


母親の心配具合はこちらが心配になるレベルだ。

ちょっと動いて、ちょっと食事を節制しただけでこの心配のしよう。

今思い返してみても一体俺はどれだけ親不孝だったんだろう。

今ならその事を顧みる事ができるけど、今日までそんな事を思う余裕も意識もなかった。

今日から俺は生まれ変わる!

ニュー省吾だ!


「ぐううううううう~」


ただ、俺の意志に反して普通にキツイ。

俺の腹は旧省吾のままだ。

            

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