34 オーク
オークの鳴き声に緊張感と集中力を削がれたが仕切り直しだ。
眼前のモンスターの動きに意識を集中し、ロングソードを構える。
オークの武器は槍っぽい棒状のやつだ。
射程は俺のロングソードよりも長い。
つまりは、中距離ではだめだ。
オークの懐に入り込み掻っ捌く。
間合いを測っているとオークがこちらに向かい駆けてきた。
もちろんゴブリンとはサイズが違うので一歩で詰まる距離は大きい。
ただ、その動きはゴブリンより鈍い。
確かにその巨体から放たれる圧はゴブリンの比ではない。
普通に弾き飛ばされてしまいそうな勢いだ。
だけど、それだけだ。
ガッシュファルトは命を懸けて数百の敵兵を相手に立ち回っていたのだ。
小柄だったガッシュファルトにとってそれは常に自分よりも大きい相手と戦っていたという事。
その経験の記憶があるからか、不思議とオークの圧に怯むようなことはない。
俺にとってオークは鈍く。的が大きいだけの豚。
ロングソードを横なぎに一閃する。
その刃がオークの皮と脂を捉え切り裂く。
「ブヒイイイイイイ!」
しとめ損ねた。
想定より脂の層が厚かったらしい。
オークの腹を掻っ捌くには少し足りなかったようだ。
そのまま右足に力を込め前へと踏み出し返す刃で再びがら空きのオークの腹を斬りつける。
先程よりも重い手ごたえ。
肉に届いた。
大きなその腹は弱点にしか見えない。
そのまま力を込め身体を捻りながらロングソードを振り抜く。
手ごたえありだ。
腹から血を吹き出しながらオークはその場へと倒れ消滅した。
「おわったな」
初見のオークだが正直思っていたより簡単だったな。
ランクが上がるとモンスターの強さも上がると聞いていたので心配していた部分もあったが、組みしやすい。
今回は単体だったけど、この感じなら複数出ても問題なくさばけそうだ。
“オークも瞬殺か。まあランク詐欺だし俺は驚かないけど”
“単体とはいえ初見でこれか”
“しばらくオーク虐殺チャンネルになる気がする”
地面に残された魔石を拾い上げる。
ゴブリンの魔石よりも一回り大きい。
色は、ほぼ同じに見える。
おそらく買取金額は上がるんだろうけど、このペースじゃだめだ。
バイクも買ったし、しっかりお金を貯める必要アリだ。
俺に止まっている余裕はない。
次のモンスターを探し歩を進める。
「おおっ」
オークじゃない。
見たまんま、骨。
骨が歩いている。
骨でできた人型のモンスタースケルトンが二体。
骨なのに普通に動いている。
モンスターなのでそういうものだと思うしかないけど、筋肉も腱もないのにどうやって動いてるんだ?
その手に持っているのは錆びた剣。
はじめて剣を持つ相手に少しだけ心が躍る。
敵は二体。
待っていたら不利になる。
一体ずつ倒せば問題にならない。
俺はスケルトンの一体に向け走り出す。
骨だけだからだろう。動きは鈍い。
スケルトンが剣を振りかぶるが遅い。
頭部をめがけロングソードを振るう。
刃が触れた瞬間、硬質な抵抗があるが構わず振り抜く。
頭蓋が横から割れ、下あご部分を残し飛んで行く。
「これでもダメか」
信じられないことに頭部のほとんどを失っているにもかかわらず、スケルトンはまだその動きを止めない。
なんとなくこういうモンスターは頭部を潰せば倒せると思い込んでいた節はある。
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