33 エトワール
翌朝、バイク屋へと向かいバイクを受け取り、早速跨る。
『ドッ、ドッ、ドッ。ドッ』
教習所のバイクと全く異なるエンジン音。
まるで心臓の鼓動のような音が身体に染みわたる。
慎重にギアを入れスロットルをひねる。
動いた。
動くのは当たり前だけど、感動だ。
目的地はEランクダンジョン。
スマホで検索しバイクに取りつけ早速向かう。
途中で何度かエンストしてしまったが、徐々に慣れてきた。
バイクに乗るとなんとなく懐かしい感覚に襲われる。
馬で戦場を駆け巡る感覚。
「エトワール」
ガッシュファルトの乗っていた馬の名前。
このバイクの名前は『エトワール』だ。
バイクに名前ってちょっとヤバめの人に思えなくもないけど、俺の記憶がこのバイクはエトワールがいいと言っている気がしたのでそれでいい。
はじめてなので気持ちイイより緊張が先に立つ。
目的地を目指し、予定していた時間よりも遅くはなったけど、どうにか目的地に着くことが出来たので駐車してダンジョンへと向かう。
今まであまり気にしたことはなかったけど、ダンジョンには駐車場が完備されていた。
考えてみれば、俺が必要に駆られてバイクを買ったように、他の人たちだって移動手段は必須なのだから駐車場があるのも納得だ。
シーカー割引なんていうものがあるらしくバイクは一日駐車しても400円らしい。
地味に助かる。
「ふ~~っ」
バイクは便利だけど、慣れないと正直ダンジョン探索よりずっと疲れる。
緊張から全身の筋肉が凝っている。
特に、背中と腕に結構きている。
これから初めてのE級ダンジョンだというのに既に疲れてしまっている。
「おっ」
向かったダンジョンの入り口付近には何組かグループらしき人たちがいる。
こんなところにいるのだからダンジョンシーカーの人たちなんだろう。
今までのF級ダンジョンでは、ほぼ誰に会うこともなかったのにひとつランクが上がっただけで結構違うもんだな。
屯ってる人たちの横を抜け早速ダンジョンへと潜る。
ここが、Eランクダンジョンか。
見る限り今までのダンジョンとそう大きな違いはないように思える。
よし、はじめるか。
「皆さんこんにちはショーゴです。ランクアップしたので今日からEランクダンジョンに潜りたいと思います」
特に告知していたわけでもないので今の視聴者数は5。
ダンジョンを進むうちに増えていくだろうから問題はない。
Eランクダンジョンを潜るにあたり一応調べておいた。
このダンジョンには何種か出るらしいが主なモンスターは2種。
オーク、そしてスケルトン。
そして今までいっぱい倒してきたゴブリンは出ないらしい。
一人なのでダンジョンが変わってもやることは特段変わらない。
ダンジョンの先を目指して進むだけだ。
張り切って進んで行くが、F級ダンジョンであればすでにゴブリンと遭遇しているはずだ。
もともとの密度が薄いのか、他のシーカーに既に狩られているからか、まだモンスターが出ない。
もしかしてE級ダンジョンって効率が悪いのか?
そんな事を考えながら進んでいるとファーストモンスターが現れた。
わかりやすい。
豚の顔を持つ2足歩行のモンスター。
一目でわかる。
これがオーク。
「ブヒイイイイ~」
おもわず吹き出しそうになる。
モンスターを前に笑ってはいけない。
だけど「ブヒイイイイ~」って、まんま豚だ。
鳴き声はあれだけど、大きさはゴブリンに比べるとかなり大きい。
重さはもちろん背丈も俺よりかなり大きいな。
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