30 ソロ=ボッチ
「視聴者の皆さん、こんにちは。ショーゴです。今日もよろしくお願いします。あ……」
“どうした? なんか事故った?
“止まった? いや生きてるな。どうした?”
“ヤバイのいたか?”
見間違えじゃないよな。
視聴者数109。
突然視聴者数が増えた。
昨日も増えててびっくりしたけどいきなりの三桁。
これはどういうことだ?
もしかして視聴者さんが知り合いを連れてきてくれた的なアレだろうか。
いずれにしても今百人以上の人が視てくれている。
それってすごいことなんじゃ。
全くの想定外の出来事に驚いてしまったけど、これはいいところを見せるしかない。
テンションが爆上がりだ。
とにかく飽きられないように魅せる。
「ギャギャッ」
ゴブリンが一匹。
正直今の俺にとっては物足りない相手だ。
だけど、そんな物足りない感を出すわけにはいかない。
「それじゃあ、行きます。おおおおおっ!」
大きく声を上げ、こちらから先に動く。
呼び込んでからしとめる方が楽な部分もあるが、それは地味すぎる。
自分のスマホでもアーカイブを確認してみたけど、小さな画面では地味な行動は、ほとんど動きがわからなかった。
ロングソードの長い刃をしっかり画面に映るよう意識して振るう。
「グギ……』
うん、いい感じに倒せた。
今日も調子は上々だ。
その後も順調にゴブリンを狩って回る。
今ので50匹。
え~っと、視聴者さんからの質問か。
“なんでゴブリンばっかり狩ってるんですか? ゴブ専なんですか”
ゴブ専って初めて聞いたけど、そんな人いるのか?
「え~っとゴブリンばっかりな理由なんですが、ここがFランクダンジョンなので、今のところゴブリンしか出てこないからです。ちなみにゴブ専ではありません」
ゴブ専って初めて聞いたけど、ゴブリン専門のシーカーってことだよな。流石にそれはない。確かに俺もゴブリン以外に倒す機会がないし視聴者さんからそう思われても仕方のない部分もある。
“なんでソロ?”
「それは、一人の方が効率がいいからです」
“普通ならボッチと呼ぶところだが、ショーゴふつうにつよいからな”時短の為と言われれば納得“
ボッチ……。
ソロ=ボッチ
ガッシュファルトの周囲にはいつも誰かいた。
そして俺は、しばらく引き籠っていたせいで人恋しい。
パーティか。
正直憧れる。
かわいい女の子とダンジョンを回れたらそれだけでテンション爆上がる自信がある。
彼女が欲しい。
その願望は常にある。
ただ、毎日ダンジョンに潜っている今の状況を鑑みると単純に出会う時間も機会もない。
真剣にマッチングアプリも視野に入れてはいたが、あれほど気心が知れていたと思っていた恵にさえこっぴどく振られたのに、よく知らない初見の女性と良い関係を築けるとは思えない。
唯一の可能性。
それはダンジョンでの出会い。
ダンジョンに出会いを求めるしかない。
ただ、このFランクダンジョンには全くと言っていいほどそんなものはない。
きっとEランクより上に行けばまだ見ぬ彼女との出会いがあるはずだ。
そう信じて今はゴブリンを狩ってレベルを上げるのみ。
モチベーションを新たに、更にゴブリン狩りに励み、その数85匹となったところで今日の探索を切り上げる事にした。
「今日はここまでとなります。また明日も潜りたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします」
109だった視聴者数が最後には130を超えていた。
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