15 部屋にはないリアル
「行ってきます」
朝目覚めて、準備を済ませて家を出る。
引き籠っていた期間は病院にもいかなかったのでほぼ3年ぶりの病院へと向かう。
昨日に比べると身体全体の調子がいい気がする。
ステータスが生えたおかげなのかなんとなく身体が軽い。
脇腹も痛いのは痛いけど昨日のような激しい痛みではなくなっているので、たぶん大丈夫な気もするけど、一応、整形外科に行きレントゲンを撮ってもらう。
「こっちがさっき撮った画像なんだけどね~、ここ分かりますか? ひびが入ってますね~」
「えっ‼︎ ひびですか?」
「そう、モンスターにやられたんだって? 無理しない方がいいよ。このくらいで済んでよかったと思う事かな。まあ日にち薬だからシップ出しとくね~」
「はい、この後、動いたりは」
「まあ、無理しない範囲でやってください」
「わかりました」
病院での診断は肋骨のひび。所謂亀裂骨折だった。
20年生きてきてはじめての骨折だ。
ギプスとかされるのかと思ったら、シップをもらっただけで終わった。
案外あっさりしているなというのが正直な感想だ。
そこまでひどくはないという事だろう。
無理のない範囲で動いていいとのことだし、昨日より痛くないしこれならいけるな。
病院を終え早速ダンジョンへと向かう。
シップのにおいが気になるけど、まさかゴブリンにこの匂いで気取られたりしないよな。
そんな一抹の不安を抱えつつ昨日同様Fランクのダンジョンへと潜る。
相変わらず、入り口付近には誰もいない。
「よし、やるか」
昨日と同じようにダンジョンを歩き始める。
やることは昨日と同じだ。
病院帰りとはいえ昨日よりも時間はある。
「ギャギャギャ」
どれだけいるのか。
進むとすぐにゴブリンに遭遇した。
ナイフを手に取りゴブリンに意識を集中させる。
「「ギャギャギャ」」
2匹。
昨日は一匹ずつしか現れなかったけど、目の前には2匹のゴブリン。
当然と言えば当然。
都合よくこちらに合わせて一匹ずつ現れるとは限らない。
昨日同様、筋肉に緊張が走るが大丈夫だ。
昨日既に10匹以上相手にしたんだ。
いけるはずだ。
ゴブリン2匹がこちらに向けて駆け出してきた。
大丈夫だ。
2匹の動きはしっかり見えている。
一匹にフォーカスしすぎないよう意識しながら動きを追う。
迫ってきたゴブリンの動きに合わせるようにナイフの刃を突き立てる。
ゴブリンの動きが若干緩慢に感じられる。
すぐに引き抜きもう一匹の攻撃を躱し首下へと刃を突き立てる。
「グえっ」
2匹のゴブリンはその場に崩れ落ちそして消えた。
終わった。
昨日である程度やれる感触はつかめていた。
だけど、今のは違う。
昨日はイメージから身体が遅れていた。
今も完全ではない。
だけどあきらかにタイムラグが減っている。
骨折しているにもかかわらず昨日よりも身体が動く。
これがレベルアップ。
レベル1になりステータスが生えた恩恵。
間違いないく昨日よりも強くなっている。
2匹のゴブリンを相手取っても余裕があった。
昨日感じた危うさは、ほとんど感じることはなかった。
いける。
2匹程度なら全く問題なく戦える。
もっと戦いたい。
その場に残された魔石2つを拾い先へと進む。
これで2000円。
これで交通費は既に稼げた。
時給、いや分給と言ってもいいくらいだ。
ダンジョンに潜ってからまだどれだけも時間は経過していない。
まだ時間はたっぷりある。
あとはプラスになるだけだ。
なんか楽しい。
ゴブリン倒して楽しいってちょっと猟奇的な気もしなくはないけど、この充実感と高揚感何とも言えない。
部屋の中では決して味わえないリアルがここにはある。
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