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前世の俺は「ここは俺にまかせて先にいけ~~~!」と叫んで死んだらしい  作者: 海翔


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13/15

結構高め

「桐谷様、つかぬ事をお伺いしますがもしかしてステータスを獲得したりは」

「ええ、どうにか11匹目で獲得することが出来ました。なんか死ぬほど痛かったです。痛すぎて危うく次に現れたゴブリンに殺されそうになりましたよ」

「本当なんですね」

「もちろん本当ですよ」


俺が嘘をつく理由がどこにあるというのか。

そんなに元デブがステータスを得る事は珍しいんだろうか。


「桐谷様、大変恐縮なのですがステータスをお伺いすることは可能でしょうか?」

「ええ、別に減るもんでもないですし」


窓口の人が妙に真剣な顔で頼んでくるのでステータスを紙へと書き写して渡す。


「これでレベル1ですか……」

「何か問題がありますか?」

「いえ、何も問題はないのですが」

「こちらもいいですか? LV1のステータス値って中央値10くらいなんですか?」

「いえ、おおよそ7です」

「7ですか」


驚いた。てっきり10が平均的な値だと思ってたけどそうじゃなかった。

やはりLUCkは平均には及ばないけど、それ以外の値は概ね平均を上回っているらしい。


「スキルは火魔法ですか」

「はい」

「このステータス値に火魔法ですか」

「なにか、まずいですか?」


窓口の人の反応の意図が読み辛いので聞いてみる。


「いえ、全くまずくありません。むしろ優秀過ぎて驚いていたんです。初期値でこれはかなり優秀です。完全にレベル2、いえ項目によってはレベル3と言われても」

「そうなんですか?」

「はい、それにゴブリンとはいえお一人で12匹を倒されるとは。そもそもライセンスを交付されたその日に独力でステータスが現れること自体がレアケースです」

「レアなんですか」


ピンとこないけど窓口の人が言うならそうなんだろう。


「魔法はもう?」

「いえ、まだです。使い方もわかってなくて」

「ステータス画面の火魔法を意識すれば使える魔法が表示されるはずです」

「そうなんですか。助かりました」

「いえ、それでは今日の買取分の12000円となります」

「ありがとうございます」

「桐谷様、無理はされないよう」

「大丈夫です。今日ので懲りましたから、無理はしませんよ」

「今日のでということは何かありましたか?」

「レベルアップの時に身体が痛すぎてゴブリンに一撃喰らってしまいましてちょっとわき腹が痛いんです」

「だいじょうぶですか⁉︎」

「結構痛いんで明日病院に行ってみようかと」

「もしよろしければポーションなんかもありますから」

「ポーションですか。それはいくらくらいするものなんでしょうか」

「ある程度の打ち身や単純骨折迄なら低級ポーションで対応できると思いますが税込み11万円となります」

「11万ですか⁉︎」


高っ! 

11万もするのか。今の俺では到底無理な値段だ。


「ありがとうございました」


お礼を言ってから家路につく。

今日はゴブリンの魔石12個で12000円の収入に対し交通費がおよそ2000円。

差し引き10000円。

まあ、ライセンス料とナイフで30万円以上使っているから大幅にマイナスではあるけど悪くない。

今日は、朝から潜ったわけではないし初日で慣れない部分もあった。

明日以降まじめに潜れば今日以上の成果が得られる可能性は高い。

ヒキニートだった俺が自分の力で稼ぐことが出来る。

それだけで特別な気がする。

今の俺にはガッシュファルトのように剣聖や剣神に至りたいという強い意志が宿っているわけではない。

それでも今までの自分を変えたい。

迷惑をかけた両親に恩返しをしたい。

普通の生活を送りたい。

そして引き籠り中には全くなかった女性と付き合いたいという気持ちが大きく膨らんできたのを感じる。

だけど、まだ一日を過ごしたに過ぎない。

これからだ。


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