スキル
全ての人がレベル1で獲得できるとは限らないらしいけど俺は獲得することが出来た。
スキル。
その種類は千差万別、望んでも思い通りのものを得られるとは限らないし。得られないまま離脱する人も多いと聞いた。
通常の人が決して生来持つことのない能力。
ステータスが生えた人のみが持つことを許された特殊能力、それがスキル。
俺のスキルは火魔法らしい。
これって火の魔法がつかえるってことだよな。
MPもあるしな。
各ステータスおおよそ10程度。
これが高いのか低いのかよくわからないけど10を平均とするなら下回るのはAGIとLUCK。
AGIに関しては多少訓練したとはいえ運動不足かつ身長が180あることを考えると納得だ。
ただLUCKについては全てのステータスの中で一番低い。
ある意味UNLUCKといってもいいのかもしれない。
実際にそうだとしてもステータス値として見せられるとそれなりに来るものはある。
逆にHPを除き唯一10を超えているのがMAGだ。
火魔法のスキルを得たことからも、もしかして俺って魔法系のステータスなのか?
ガッシュファルトがそうであったように当然俺も剣を極めるつもりでダンジョンシーカーとなったんだけど、まさかの魔法系?
ガッシュファルトの世界に魔法はなかった。
俺だって魔法への憧れがなかったわけではないけど、もうちょっと剣を扱うのに役立つスキルだったらよかったのに。
でもSTRもATKも10だし悪くはないのか?
おそらく生身の俺がゴブリンを絞め殺すことが出来たのもこのステータスがあってこそだったんじゃないだろうか。
全身の痛みは治まったとはいえ、脇腹は痛いし死ぬ気で力を振り絞ったからだろう、疲労感が激しい。
今日はこれで帰ろう。
地面から12個目の魔石を拾い上げ地上を目指して歩き出す。
「これ折れてたりしないよな」
今まで骨折したことは一度もないけど、かなりの痛みだし骨折している可能性もある。
はじめてダンジョンへと潜ったけど、イレギュラーなことも起こる。
いくらゴブリン相手でも可能な限り装備は必要だと感じた。
お金がなかったので防具を買わなかったことが悔やまれる。
まあ、悔やんだところでお金が無いのだから買えなかったんだけど。
これが無い袖は振れないというやつか。
「もう、夕方なのか」
地上へと出ると、日が傾きかけていた。
ゴブリンを倒すのに夢中になって結構な時間潜っていたらしい。
ポケットには12個の魔石が入っている。
おそらくは12000円だとは思うけど、これを買い取ってもらわないと明日から金欠でダンジョンに潜れなくなってしまうので是が非でもダンジョンギルドの開いている時間にたどり着かなければならない。
残りのお金を使い、来た時同様公共機関を乗り継ぎダンジョンへと急ぐ。
「買取をお願いします」
「はい、シーカーカードの提示と売りたいものをこちらへ」
よかった。どうにか、滑り込みで間に合った。
俺は窓口にシーカーカードとゴブリンの魔石を12個差し出す。
「ゴブリンの魔石が12個ですね。あれ? 桐谷様は本日シーカーになられたばかりなんですね」
「はい、そうです」
「12個とはは頑張られましたね。ガイドと一緒に潜られたんですか?」
「いえ、一人です」
「お一人ですか?」
「はい、一人です」
「……」
窓口の職員の反応が少し怪しい気がする。
ひとりで潜ると何かまずいのか?
もしかしてボッチに対して何かあるのか?
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