ロボットの執事は理解したい
掲載日:2025/12/08
執事×主人。
儚い恋愛。
「ふう、掃除終わった」
少年は呟き、息を吐く。
「次は、料理。ご主人様のご飯を作らないと」
それは、命令通りに。主人の父がした、命令の通りに。
彼は、命令通りにしか、動けないから。
そして、書斎。
1日の仕事は終わった。作ったご飯は燃えるゴミの袋に捨て、入れたお風呂のお湯は誰も入らず捨てた。
命令の通りに。
椅子に座り、彼は読む。
いつもの作家。
少女だった作家、たった18歳で死んだ作家。
その屋敷にしか存在しない作家。
「見て! また1冊書いた!」
「流石です、ご主人様」
「今回はね、明るい話。ロボットの少年が、いつまでも主人の墓に来てくれる」
「明るい、ですか?」
「だって最高じゃん! 自分が死んでもずっと生きてるんだよ?」
「は、はあ」
「だから、ずっと生きてね、君も」
それは、少し昔。
かつてあった日常。
ロボットの執事と、主人で病弱な少女の、儚い日常。
「ふう」
彼は本を閉じる。
「読み終わった」
そう、呟く。
ロボットの少年は、かつて隣にいた主人の心を理解したい。
心のない彼に、ヒトの心を理解できるときは訪れるのだろうか?
ありがとうございました。
3人称、久々に書きました。
伝わっていれば幸いです。




