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9.指輪!

 遅めの昼ご飯を屋台で買って、宿屋に帰ったのが昼過ぎ。


 そこから、先に温泉に入ろうと師匠が言ったので、温泉に入り宿屋の部屋に戻る頃には夕方になっていた。


「んー、のんびりするのって、やっぱり最高ね!」


 ベットでごろごろする師匠を見ながら、私も今日は疲れたのでベットに座りうとうとしていると、


「カランコエ。いつまでここにいたい?」


 師匠が私を後ろから抱き締めきて、そんな事を言ってきた。


 いつもなら抵抗する私だけど、今日は眠いので何もせず、目を擦りながら師匠に聞く。


「次は、どこに行くんですか?」


「そうね……花の国『アンサス』なんてどうかしら?」


「花の国、良いですね……明日までここにいて、明後日出発とかで、どうですか?」


「分かったわ。そうしましょう……ふっ」


「ひゃ!」


 私があまり考える事なく予定を決めると、師匠は頷きいきなり私の耳に冷たい息をかけてくる。


 そのせいで眠気が吹き飛び、思わず私は背筋を真っ直ぐに伸ばして驚く。


「ふふ、可愛いわね、カランコエ」


「し、師匠!」


「さぁ、夜ご飯食べに行きましょう」


 私が怒ると師匠はベットから下りて立ち上がり、手を差し出してくる。


 その手を私は仕方なく握って、師匠と一緒に夜ご飯を食べに二階の食堂へ。


 それから満足するまでご飯を食べて、また部屋に戻ると眠気が再び襲ってきて、私はベットに横になり目を閉じる。


「おやすみ、カランコエ」


 すると、師匠の優しい声が聞こえて、


「……はい」


 私はそれだけを精一杯に返して、眠りに落ちた。


 ◆


 雨が降る音に目を覚ますと、どうやら時刻は朝を少し過ぎた時間で、師匠にまた抱きつかれていた。


 私はため息を吐きながら、今日はもう暴れることなく師匠を叩こうとした時、いきなり扉がノックされて、


「えっーと……どちら様?」


 私はびびりなからも師匠の手を握って、大きめの声で聞くと、扉の向こうから、


「ん……ニャーカ。加工、終わった。宝石、あげる」


 ニャーカさんの声が聞こえて、私は安心しながら、扉の前で待たせるのも悪いと思って、


「ど、どうぞ、入って下さい」


 部屋に招き入れる。そして、


「師匠、ニャーカさんです!宝石、出来たって!」


 師匠を叩いて起こし、眠そうな体を起こした師匠にニャーカさんは、


「ん……指輪に、した」


 金色のリングに真っ青な、まるで海を閉じ込めたような色のサファイアが埋め込まれた指輪を二つ渡した。


 それを受け取り、少し間を開けて、


「えっ?良いんですか?こんな凄い物貰っても?」


 師匠が珍しく眠そうな目から驚きの目に変わり、ニャーカさんに問うと、


「ん……丁度、金、余ってた。あげる」


 ニャーカさんは頷き、少しだけ笑う。そんな笑みに、


「ありがとうございます。ニャーカさん」


 師匠は優しく笑い、私も頭を下げて、


「あ、ありがとうございます」


 お礼を言うと、


「ん……バイバイ」


 ニャーカさんは、部屋を去って行った。


 それを見送り、師匠は自分の左手の薬指に指輪を一つ付け、


「カランコエ、左手を出して」


 師匠と同じ指に私も指輪を付けてもらい、


「お揃いね!」


 師匠は嬉しそうに笑いながら私の手の甲に、手のひらを合わせてきて、ぎゅっと指を絡めて手を繋いできた。

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