5.温泉!
縦穴から戻る最中また屋台に戻り、師匠が蜂蜜のかかったワッフルを買ってくれ、それを食べながら宿屋へと戻った。
それから少し時が経ち、時刻は夕方。太陽がオレンジ色に輝いており、少し部屋を出ていた師匠が戻って来て、どこか上機嫌に言ってくる。
「カランコエ。この宿屋、温泉があるみたいよ?」
「えっ?そうなんですか?」
「ええ、さっき受付のドワーフさんから聞いたわ」
温泉と聞いて私は首を傾げる。言葉自体は聞いたことがあるけど、実際に入ったことはない。確か、お風呂の上位互換とかなんとか……
「カランコエは温泉初めてよね?一緒に入らない?」
「いっ、一緒にですか?えっーと……ひゃ」
師匠の言葉に私が視線を逸して恥ずかしがると、いきなり両頬を手で挟まれて、
「カランコエ、だめ?」
悲しそうな声と表情で師匠は可愛く、首を傾げて聞いてくる。
そんな風に言われたら流石に断れず、私は渋々頷く。
「わ、分かりました……」
すると、
「やったー!ほら、早く行きましょう!」
先程の表情と声はどこへやら。物凄く嬉しそうにガッツポーズをして私の手を握ると、いきなり引っ張ってきて、私はなされるがまま師匠に付いていく。
部屋を出て廊下を走り、二階と地下一階に続く階段をそのまま降りて下に行き、女湯と書かれた方の扉を開いて、岩でできた脱衣所へと入る。
「カランコエ、脱がしてあげましょうか?」
「いえいえ!大丈夫です!」
「えー、なんでよ……ケチ」
師匠は私が首を横に振ると、頬膨らませてそっぽを向き、魔法の杖や呪文を使う事なく魔法を使い、白い炎で体を覆うと次の瞬間には裸になっていた。
そして、
「もう、先に一人で入るわ!」
そのまま、温泉へと一人で行ってしまう。
残った私は、ちょっと拗ねた師匠に笑みを浮かべながらゆっくりと服を脱ぎ、服を脱衣所の棚の中に入れる。
それから、恥ずかしさを紛らわせるために深呼吸をしてから、私も温泉へ。
少し重い木で出来た扉を開けると、湯気が襲いかかってきて中に入ると、目の前に広い温泉、次いでオレンジ色に照らされた崖が沢山見えて、思わず私は足を止める。
「綺麗……」
と、師匠が、
「本当、綺麗よね。元々は洞窟だったんだろうけど、崩れて外の景色が見えるようになったのね」
いきなり私の真正面に現れて軽く説明をすると、手を差し出してきて、
「カランコエ、おいで。一緒に入りましょう」
そう言ってくれたので、私は頬を染めながらも手をゆっくりと伸ばしてぎゅっと握る。
すると、優しく引っ張られて一緒に温泉へと浸かる。
「ふふ、いい湯ね」
「は、はい……」
それからは恥ずかしくて、あまり話さなかったけど師匠はずっと嬉しそうな顔をしたまま、優しい笑みを浮かべていた。
面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、
☆☆☆☆☆
↓↓↓
★★★★★
広告下の星を押してポイントを!ついでに、いいね!と思ったらいいね!ボタンもポチッと!
よろしくお願いします。