28.末永く!
キスをし終えて恥ずかしくってどうにかなりそうになっていると、師匠は優しく私の頭を撫でてくれ、
「ふふ、ありがとう」
温かくお礼を言ってくれる。そしていつの間に用意したのか、テネルさんとベルスが師匠と私に真っ白な花で編んだ花冠を付けてくれ、
「さぁ、次よ。二人の魔力を込めて、この花の種を植えて頂戴」
小さな種を一つ渡され、師匠は迷いなく私の手を引いて神殿の中心から端へと歩いて行き、色とりどりの花が咲いている場所へ。
そうして花をかき分けて土を軽く掘り、
「カランコエ」
一緒に、と目だけで伝えてきたので種を二人で持ち、まだまだ未熟で凄く簡単な魔法しか使えない私だけど、魔力を込めることぐらいは出来るので、師匠に負けないように魔力を種に込める。
「ふふ、私とカランコエの魔力が混ざり合ってるわね。ちょっとドキドキしちゃうわ」
「し、師匠、変な事言わないで下さい」
「ごめんなさい、つい。よし、それじゃそろそろ良いわ」
「はい」
師匠と私の魔力を込めた種は白く輝き、それを一緒に植えて土を被せる。
そのタイミングでベルスが魔法で水をかけ、土が一瞬で光ったかと思うと、すごい速度で土から芽が出て育っていき、一本の綺麗な白い薔薇が花を咲かせた。
「綺麗ですね」
「当たり前よ。私とカランコエの魔力を込めたんだもの。綺麗じゃなきゃおかしいわ」
思ったままの感想を溢すと、師匠は笑いながら私を抱きしめてそう言い、また二人で神殿の中心に。
「あなた達、ちょっとくっ付き過ぎよ」
「あら、そんなに怒らないでベルス。これで良いかしら」
「まあ、許してあげるわ」
中心に戻りまた師匠に抱きつかれていると、ベルスが唇を尖らしながら不満げに口を開き、師匠が離れ、手だけ繋ぐとテネルさんが微笑ましそうにベルスの手を握って口を開く。
「ノイバラ、カランコエ。最後に、私達フェアリーの名に置いて、あなた達に加護を与えるわ」
「「末永く、誓いが続きますように。『不滅』」」
二人のフェアリーが魔法を唱えると同時に、神殿の中にまるで星のような小さな光が舞い、花々が踊る。
そうして頭を師匠も私も優しく撫でられて、『永華の儀』は無事に終わり、神殿に明かりが戻ると、一斉にフェアリーが姿を現して驚いたのも束の間、沢山の料理が空中を漂いやって来て、
「カランコエ、一緒に食べましょう。フェアリーの皆も好き食べて構わないわ」
師匠の言葉一つで一気に神聖な雰囲気からまるで宴会の様な雰囲気に変わり、
「カランコエ。一緒に食べましょ!」
左手は師匠の手を握ったまま、右手はベルスに手を握られ、私は照れて緊張しながらも、
「うん」
一言しっかりと頷いた。
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