22.聞き手と聞き手!
「よ、よろしくお願いします」
師匠とテネルさんがいないなら、もうベルスさんに頼るしか方法がないので手を握り軽く握手をすると、
「取り敢えず、朝ご飯と着替えを預かっているわ」
ぎゅっとベルスさんは柔らかい手で握り返してくれた後、収納魔法から言葉通りの物を出してくれ、私にくれる。
「あ、ありがとうございます」
「別に敬語じゃなくても良いわ、カランコエ」
「はっ……うん」
最初に話しかけられた時とは違って優しい声のベルスさんに、私はぎこちなく頷いて朝ご飯を食べる。
そしてまだ魔法で服を着替えることが出来ないので、素早く手で着替えると、
「準備が整ったわね。少し散歩をしましょう」
唐突にそんな事を言われて、朝と言うには少し遅い外に出て甘い花の匂いを感じながら、私はベルスさんの後ろを歩いて行く。
それからお互いに無言で静かな時間がしばし流れた後、
「静かだと気まずいわ。何か話はないの?カランコエ」
しびれを切らしたようにベルスさんは振り返って私の顔を覗き込んできたので、何か話はあるだろうかと必死に考えるけど何一つ出て来ない。
それをすぐに察してか、ベルスさんは私の横に来ると、
「元々、カランコエはどこにいたの?」
話題を振ってくれて、私は心を落ち着かせながら答える。
「繁栄の国で……だよ」
「あー、あそこね。あそこから旅を始めて、最初はどこの国に行ったのかしら?」
「だ、大地の国へ」
「そう。それで次は?」
「この花の国に」
「あら、意外と旅を始めてすぐなのね。それにしても、大地の国からこの花の国まで遠かったでしょ?魔法を使って来たの?それとも歩き?」
タメ口に慣れてなくてとにかくぎこちないはずの私を、特に気にする様子もなくベルスさんは話題というか質問を沢山してくれて、どっちかが喋っでいてる状態がずっと続く。
「大地の国から歩いてきて三日で花の国だなんて、どこを通って来たの?もしかして、『終わりの森』とかじゃないでしょうね?」
「えっーと、変な森なら通ったけど……」
「ずっと景色が変わらない森?」
「うん」
「カランコエ。あなた、なんで生きてるの?」
「えっ?」
「だってあそこの森、魔力の流れがまるで意思を持ったみたいに常に変わる森だから、魔法は乱れて使えなくなるし、なおさら景色も変わらないから、入ったら一生出れないで有名なの」
ベルスさんの説明を聞いて、そんなどんでもない所をよく師匠は通ったなと思い、
「迷ってたらどうしてたんだろう?」
素直な感想を溢す。
「まあ、でもあなたの師匠って魔女でしょう?常識が通用しない存在だから、絶対に迷わない自信でもあったんじゃない?」
するとベルスさんはそんな事を返してきて、
「確かに、そうだと思う」
私は納得し、師匠の凄さをまた一つ分かりながら、ぎこちなく会話を続けた。
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