2.魔脈!
私が大きくなったら旅をしようと、昔から師匠は言ってくれていた。
色々な場所を見て、色々な事を学び、色々な人に出会う。そうして始めて一人前の大人になれると。
そして少し前、師匠から旅をしようと言われた時、私は迷う事なく頷いた。師匠と二人だけで色々な所に行ける、そう考えただけで私は嬉しい。
「もうすぐ、この国とお別れですね」
「寂しいものね」
私達が四年程いた繁栄の国『エヴデモニア』。人々が多く暮らし発展し続けているその大国を、私達はもうじき出る。
「師匠に拾ってもらって始めて来た国でしたけど、楽しかったです」
「ええ。私もよ。でも、これからももっと楽しい事が起こるはずよ、カランコエ」
「そうですね、師匠!」
私の手を優しくぎゅっと更に握ってくれ、師匠は寂しさを吹っ切ったように楽しそうに言う。
だから私も笑って、繁栄の国『エヴデモニア』を私達は出た。
◆
「カランコエ。大地の国『ガイア』って知ってるかしら?」
「いいえ……でも大地の国、ですよね?それって、大体の国はそうなんじゃ……むっ」
「そんな事言わないの。大地の国は、魔脈の上にある珍しい国で、土や岩には綺麗な魔力が沢山含まれているの」
師匠の言葉に何度も頷くと、頬をムニムニされた後満足げに離してくれた。
だから私はまた、口を開く。
「それにしても、魔脈なんて本当にあるんですね」
「もちろんよ。この星はずっと魔力を浄化し続けて、綺麗な魔力を放出し続けている。その通り道、魔脈に入れば分かるわ。気分が良くなるの」
「そうなんですか。楽しみです!ここから大体、どれぐらいですか?」
「そうね、大体歩いて五日ね。カランコエ、疲れたら言って。休憩するから」
「分かりました」
師匠の言葉に頷いて、私と師匠は手を繋ぎながら道を歩いて行く。
どうやら大地の国までの道のりにこれといった問題はなく、魔物も比較的少ないらしい。
なのであまり警戒せずに歩きながら師匠と喋り、時々休憩しながら夜は寝て、あっという間に四日が過ぎた。
「カランコエ。ここら辺からが、魔脈よ」
昼ぐらいになって、急に師匠がそんな事を言ってきた。
でも……
「こ、ここら辺からですか?何もないように見えますけど……」
辺りには何もなく、魔力もこれと言って変わっていない。
「魔法をもっと極めれば、見えるようになるわ。さぁ、行きましょうか。もうすぐ着くわ」
師匠と私ではやっぱり、見えている景色が全然違うらしい。
師匠の見ている景色……
「あのっ、師匠にはどんな感じで見えているんですか?」
私は気になって聞いてみると、
「なんとなくだけど、魔脈はもわもわしているの」
なんだかよく分からない答えが返ってきた。それに私はちょっとがっかりするけど、時々師匠はこうなので、
「魔脈はもわもわですね。覚えておきます!」
私はたぶん役に立たないだろうなと思いながらも、師匠が言った言葉なので一応覚えて、それからすぐ私と師匠は大地の国『ガイア』へと到着した。
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