18.笑顔!
テネルさんの家を出て、綺麗に整えられている道を歩いて行く。
「師匠、可愛い家ばかりですね」
「ええ、そうね」
花の国に住んでいるフェアリーは、私達人間よりも体が小さいので、時々見かける宿屋等を除いて家も小さな家ばかり。それに、家はカラフルで構造も円柱に三角屋根と可愛らしさしかない。
「カランコエ。確かあっちに、ご飯が食べれるお店があったはずよ」
私が家をまじまじと見ていると、師匠はまるで花の国に来たことがあるように話しかけてきて、テネルさんの件と言い気になったので、
「師匠は、花の国に来た事があるんですか?」
何気なく聞いてみると、師匠は笑って話してくれる。
「ええ、もう十年ぐらい前だけど。友達の友達が結婚式に招待してくれて参加したの。その時に、テネルとも親友になったわ」
「結婚式、ですか……」
「花の国でやるなんて、お洒落よね」
「はい」
私が思った事を師匠が口に出してくれて頷くと、丁度師匠が言ったお店に着く。
「師匠、入れますか?」
「ギリギリ、ね」
そのお店は普通のフェアリーの家と同じぐらいの大きさで、師匠が入れるかどうか怪しい入り口になっていて、
「ほらカランコエ。ギリギリよ」
師匠は自分で大きな胸を押し込んで、なんとか横向きで入り、嬉しそうに笑う。
一方私はすかすかなのですんなり入れて、少しだけ、ほんの少しだけ師匠が羨ましいなと思いながらも、師匠が座った席の横に腰を下ろす。
「甘い物はここにあるわね」
「ありがとうございます。わー、沢山ありますね。どれにしようかな……」
メニューを開いて渡してくれた師匠にお礼を言って見てみると、ケーキを始め甘い物が沢山あって、私は気持ちを切り替えて頼みたい物を選ぶ。
それから師匠も私も決まって店員のフェアリーさんに注文をし、頼んだ物が来るまでの間、のんびり師匠と会話をする。
「カランコエは本当に甘い物が好きね」
「はい!食べると幸せな気持ちになれますから」
「あら、私と一緒にいる時間は幸せじゃないの?」
「し、師匠と一緒は凄く幸せです。だから、甘い物を食べると更に幸せになれるんです」
「そう、凄く嬉しいわ」
師匠の言葉に戸惑いながらも良い感じの返事をすると、機嫌良く私の頭を撫でてくれる。
その感触に私は特に何も言わずにいると、
「カランコエ。私はずっとあなたの傍にいるから、笑顔でいるのよ?」
少し真面目に何故かそんな事を急に言ってきて、
「えっ、えっーと」
なんて返していいのか分からず、戸惑いながらも取り敢えず頷く。
「わ、分かりました」
「良い子ね、カランコエ」
すると、師匠は優しく私の名前を呼んでくれ、それと同時に頼んだ物をフェリーさんがせっせとテーブルの上に置いてくれた。
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