17.親友!
師匠が、自分に飛び込んで来たテネルさんの頭をしばらくの間撫でてあげると、
「私、フェアリーの女王になったのよ、ノイバラ!」
満足した様に離れテネルさんは、目の端に涙を浮かべてはにかむ。
その笑みに師匠も嬉しそうに笑い、
「そう。頑張ったわね、テネル」
もう一回頭を撫でるとテネルさんは師匠の手に頭を擦り付けるように首を振って、飛びっきりの笑顔に。
「それで何をしに来たの?旅かしら?」
「ええ、そうよ。少し前に弟子を一人取って、一緒に旅をする事にしたの。カランコエよ」
「こ、こんにちは」
いきなり師匠がこっちを見て紹介してくれ、戸惑って驚きながらも挨拶をすると、
「こんにちは。私はテネル。ノイバラの親友にして、この花の国の女王よ。よろしく」
テネルさんは軽く自己紹介をして、手を差し出してきたので、私はそれを握り握手をする。
その手は柔らかくてもちもちで良い感触だなと思っていると、師匠が私の頭を撫でてきて、ちょっとだけ心配そうに問われる。
「カランコエ。花の国にいる間、テネルと一緒でも構わないかしら?」
「はい、大丈夫です」
師匠の言葉に私は別にテネルさんが嫌とは全く思わないので、しっかりと頷き返事をすると、師匠は安心した様に笑い、
「ふふ、良かったわ。それじゃ、宿屋を探しましょうか」
話題が変わり私が頷こうとした時、テネルさんが思ってもなかった事を言ってくれる。
「あら、まだ見つけてなかったの?でも、丁度良いわね。私の家に泊まりなさいよ」
「良いの?なら、お邪魔するわ、テネル」
「ええ!部屋に案内するわ!」
テネルさんの誘いに師匠は迷う事なく一瞬で乗り、私もちょっとわくわくしながら案内してくれるテネルさんに付いて行く。
「ここよ。どうかしら?」
「綺麗ね。ありがとう、テネル」
テネルさんが案内してくれた部屋は中々に広くて綺麗で、ベットも大きい。それに花の良い匂いもして、凄く落ち着く。
「満足してくれた様で良かったわ。それじゃ、ごゆっくり」
「テネル、後でいっぱいお話しましょう」
「ええ!」
テネルさんは何か仕事でもあるのか嬉しそうに返事をした後、急いで部屋を出て行った。
それを見送った師匠は、
「えいっ!カランコエ、取り敢えずこの部屋でゆっくりした後、外を歩きましょうか」
私を抱きしめてベットに押し倒し、この後の事を言ってくれる。
それに私は抵抗しながら、
「し、師匠……分かりましたから、取り敢えず離れて下さい」
離れるように言うと、師匠は私の胸に顔を埋めて頭をぐりぐりと押し付けた後、
「花の国は甘い食べ物がいっぱいあるのよ。行きましょう、カランコエ」
ケロッと元に戻って立ち上がり、私に手を差し出しながら聞き捨てならない事を言ったので、私はその手を握り、
「行きましょう!師匠!」
先程の事は特に気にせず、私は上機嫌に返事をした。
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