14.四匹の魔物!
鼠色のゴツゴツとした大きな石が転がる道を、師匠と手を繋ぎながら危なげなく降りて行き、無事平坦な道へと着く。
「えっーと……こっちね」
師匠は今何で判断したのか?辺りを軽く見渡した後、なんの迷いもなく森の方を指差して、歩き出した。
「あの、師匠。こっちであってるんですか?」
「ええ、バッチリよ。大体三日ぐらいかかるから、何かあったら言うのよ?」
「はい」
私の返事に師匠は笑い、道のない森の中を突き進んで行く。
積み重なった落ち葉に、蛇のような木の根っこ。太陽の光が控え目に差し込み、森独特の匂いがする。
師匠と私たった二人だけの時間が、誰にも邪魔せれる事なく、ゆっくりと流れていった。
◆
森に入ってから一日目は何事もなく野宿をし、二日目。
朝から、ずっと景色が変わらないおかしな感覚のする森の中を、昨日と変わらず歩いていると、
「魔物に後をつけられてるわね」
師匠が小声でぼそっと、私だけに聞こえるよう真面目に呟いてきた。
私はその言葉に驚きながら辺りを見るけど、そんな気配も魔力も感じられない。
警戒しておいた方が良いだろうかと、師匠を見るけれど、
「ふふ、どうしたの?」
真面目な師匠はどこへやら。それっきり、いつもの楽しそうな顔で、私に変な事ばかりしてくる。
「カランコエの手ってすべすべしてて暖かくて、握り心地が良いわよね」
「あのっ!変な感じに揉まないでください!」
私が怒り師匠が笑う、そんな時間が再び流れて次第に私は魔物の事を忘れ、昼が過ぎ師匠が収納魔法から出してくれたパンを食べながら歩いていると、
「ガウガウッッ!ガゥゥ……」
魔物の鳴き声が聞こえ、どこからやって来たのか、気が付いた時には四足歩行の黒い魔物四匹に囲まれてしまう。
「あっ、あの師匠……」
私はその魔物の大きさと魔力量に思わず怯み師匠の手をぎゅっと握ると、師匠は私の頭を撫でて、
「カランコエ。必ず守るから、少しだけ手を離しても良いかしら?」
優しい声であやす様に言い私が手を離すと同時、チャンスとばかりに黒い魔物の四匹が一斉に物凄い速度で私達に襲かかり、飛び上がったその瞬間、
「『白刃』」
師匠の力ある声が辺りに響き、白い炎の刃が四匹の魔物の首を跳ね飛ばし、私達に触れることなく死んだ。
そしてそんな魔物を師匠は、
「意外と美味しいのよね、ダークウルフ。こうして……こうやって……よしっ!」
手際よく魔法で捌いて解体し、収納魔法に入れ、
「カランコエ。行きましょうか」
私を安心させるように師匠は私の手を優しく握って来た。
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