12.師匠!
師匠の山程選んだ服をなんとか七着まで減らし、お会計へ。
「ありがとうございました」
お金を師匠が払い、ルーエさんのお礼を聞きながら服屋を出る。
まだ相変わらず雨は降っているけど、気にしても仕方ないので、この後の事を聞いてみる。
「師匠、どうします?」
「そうね。他にしたい事は……花、そう、花が欲しいわ」
「花、ですか?」
師匠の言葉に首を傾げていると、何故か頭を撫でられて、
「あなたみたいに小さい花よ。ちょっと探してみないかしら?」
「わ、分かりました」
買った服を全て師匠は収納魔法に入れて、魔法を使い雨に濡れないようにした後、私の手を握ってくれると、街の方ではなく少し下った所にある緑が沢山見える方へと向かう。
「滑らないよう、気を付けるのよ?」
「はい」
しばらくして家も道もない、緑に覆われ花がそこそこ咲いている、少し広い場所に着いた。
そこを一周ぐるっと師匠は見渡して、
「あの花にしましょうか」
ピンク色の花びらが五枚ある花の前へ。
「小さくて、可愛い花ですね」
「ええ、この花はユキワリコザクラって言うのよ」
「ユキワリ、コザクラ?」
私が師匠の言った花の名前を復唱すると、師匠は花を二本取って一本収納魔法に仕舞い、もう一本を、
「とっても似合うわね」
私の頭に付けてくれた。
「あ、ありがとうございます」
私はなんて言ったら良いのか分からず、取り敢えずお礼を言うと、師匠は笑って、
「カランコエ。あなたってやっぱり、とっても可愛いわ」
何故か、嬉しそうというか楽しそうに褒めてくれる。
そんな言葉に頬を染めながら視線を逸らすと、師匠は立ち上がって、
「さて、やる事は終わったし、次はもっと楽しい事をしましょうか!」
満面の笑みで私に手を伸ばしてきた。
◆
「ちょっ、師匠!」
「ほら、服脱ぎなさい!」
師匠と一緒に宿屋に帰った私は今、師匠が買った服を、着てくれないかしらと言われ、服を脱がされかけている。
「そんなに引っ張らないで下さい!」
「大丈夫よ!ほら、えいっ!」
「きゃ!」
「まずはこれよ!」
力で師匠に勝てない私は、結局服を脱がされてしまい下着姿に。そして、最初に選んだ白いワンピースを渡される。
私は恥ずかしさのあまり、
「もーっ!師匠の馬鹿!」
とにかく文句を言って、白いワンピースを着る。
「物凄く可愛いわね!最っ高よ!」
私がサイズぴったりのワンピースを着ると、師匠はテンション高めに抱きしめてきてベットに押し倒してくる。
「なんなんですかっ!ちょっ、こらっ!何で匂い嗅ぐんですかっ!」
「カランコエ、痛い、痛いわ!」
「師匠ーっ!」
私は精一杯の声を部屋の中に響かせた。
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