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魔道具()

「はあぁあぁぁ…」


 荷物も杖も放り投げて、ボスンとベッドに倒れ込む。

 ああ〜清潔なシーツの香り〜。古い時代だからか毛布とかちょっと固い気がするけど、それ以上に気持ちいい。


 この街あったかすぎる。どうしよう永住しようかな。


 …いやしないけど。

 私は平穏を愛しているけど、自分好みじゃない退屈は敵視している。そう、ちょうど私がコスプレしているオリヴィアのように。


 だからきっと、この街で一生涯を過ごすことはできないだろう。退屈で死んじゃいそう。

 と、いうわけで。


「魔道具制作、いきますかぁ」


 この世界には魔道具があり、その存在は認知されている。

 ならば、自衛用の魔道具があっても構わないでしょう。周囲に効果を隠しておけば、それだけで、()()()()()()()()()相手が勝手に警戒してくれる。


 まずはやっぱり、私自身の魔法が使えなくなっても大丈夫なように、コンパクトみたいに魔石を使った、効果が永続する魔道具がいいな。

 護身用とすると候補は三つ。


 一、バリア

 ニ、回避

 三、相手の魔法無効化


 正直、全部欲しいと言えば欲しい。

 バリアはシンプル。他の効果と違ってわかりやすく「防いで」くれるから、精神衛生上かなり良い。

 回避は、相手の斬撃や拳、蹴りなんかを察知して避けるイメージ。ゲームとかの「miss!」って感じ。これは他二つと違って見てわかるようなものじゃないから、魔法だなんだと騒がれないのが強い。

 相手の魔法無効化は読んで字のごとく。回避で避けきれないような極太光線なんかは、バリアで防ぐよりも根本から消し去りたい。


 でも、全部一気にはキツイ。永続は派手すぎるし、かといって私の技量で咄嗟の使い分けができるわけもなし。

 えーどうしよう。パターン分けして自動で発動するようにしようかな。


 あ、そうだ。自動が作れるなら、先に作りたいのができた。


***


「……」

「……」

「……」

「……」

「…あの、みなさん…?」


 翌朝。特訓や授業のために昨日の若者パーティーと集合。ちなみに、パーティー名は「緑風」らしい。多分母国語だといい感じなんだろうけど、残念ながら私のはゴリ押し翻訳なんでわからん。ルーツはこの街に広がる一面の畑らしい。ふるさと想いの良い人たちですね。

 彼らが覗き込んでいるのは、私が昨日作った魔道具。


「…謎生物?」


 いえ、雪うさぎです。

 正確には、雪うさぎモチーフのクッション(自律型)です。私が3000円注ぎ込んでクレーンゲームで取ったやつです。やっぱいつも寝てるときにあるやつが無いと喪失感というか、物足りないといいますか。

 あとはぴょこぴょこ動いたりしたら可愛いから…。


「え、オリバーさん?なんですかこれ?」

「え、…ペ、ット?」

「なんでオリバーさんが疑問形なんですか」


 だってあくまでもっちもちのアンドロイドみたいなもんだし…。

 そう思いながらもにもにとクッション(命名:ゆきうさ)を弄る。葉っぱモチーフのお耳もそーきゅーと。手触りもいいし上手にできた。


「なんか懐きました」

「なんかって…」

「オリバーさんって割とこう…不思議ちゃんだよな」

「そうですかね?」


 えー私クールな紳士キャラ目指してるんだけどな。ワールド全開の不思議ちゃんはお呼びじゃないのよ。

 でもまあ、他人の評価は操作できませんからね。洗脳なんかしたくないし。


「…まあいいか。可愛くて無害そうな見た目だけど、念のため警戒は怠らないでくださいね。いきなり豹変なんかも、魔物だとありがちなんですから」

「はい。それはもちろん」


 しません!!(←制作者)

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