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福音と甘言  作者: はまみ
65/110

65話 輝く砂浜

外へ出ると、眩しいほどの日差しに目を顰める。手で遮っていると、突然の視界が暗くなる。横を見ると、アザレア嬢が日傘を差してくれたようだ。大きな日傘は二人で入っても十分なスペースがあった。


「アディが大きめにしておくといいって言うから、言われたとおりにしたんだ。正解だったみたい」


 アザレア嬢は小さく笑ってそう言った。


「アザレア嬢、傘を」


 そう言って手を差し出すと、アザレア嬢はきょとんとしながらオレの手に傘を置いた。受け取った傘を持ち直す。


「では行きましょう」


「待って、大丈夫だよ、私が持つから……」


「オレに合わせて傘を持つと腕が辛いでしょう?」


「うぅ……それはそうだけど……」


「ではこうしましょう。アザレア嬢はオレに傘を貸した。だからオレが傘を差している」


「もう……わかったよ……ありがとね、ルークくん」


 坂道を降りていくと、そこには砂浜が広がっていた。輝く砂に足を乗せると少しだけ沈んだ。……足を取られないように気をつけないと。

 

「転ばないように気をつけてください」


「大丈夫、心配しないで!」


 隣を歩くアザレア嬢はしっかりとした足取りで砂浜を歩いていた。確かに、いらない心配だったようだ。


「あっ、あれって……」


 アザレア嬢が指差した先には、砂浜を走る二人の男がいた。背格好や髪色からして、ディオンとカインのようだ。どうやら着いて早々にトレーニングを始めたようだ。実はオレも誘われていたが、アザレア嬢との先約があったので断った。


「おっ、ルーク!!とエーシュ嬢!!こんにちは!!」


「こんにちは、カイン様、ディオン様!!精が出ますね!!」


 相変わらず大きな声でカインが挨拶をする。それに負けじと、アザレア嬢も大きな声で挨拶をした。


「えぇ、砂浜は足場が悪いので足腰を鍛えるのにとてもいいのです!!」


「そうなのですね!!頑張ってください!!」


「ありがとうございます!!もう一週行くぞディオン!!!」


 掛け声を上げながら二人は走っていっていった。


「そういえば、ルークくんは一緒に走らなくて良かったの?」


「はい。先約があることを伝えたら、レディのエスコートも紳士の仕事だと言われました」


「ふふっ、そうなのね。じゃあ、しっかりよろしくね!!」


「はい、お任せください」

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