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福音と甘言  作者: はまみ
18/110

18話 厳しいアドバイス

事件から一週間、ようやく運動することを許されたオレは、早速練武場の隅に来ていた。一週間という短い間ではあったが、少しだけ懐かしい気がした。いつの間にか、ここに来ることはオレの日常になっていたのだと改めて実感した。

「おっ、ルーク!!!」

 背後からオレの名を呼ぶ声が聞こえる。振り返らずとも誰かが分かる。

「おはようございます」

「おはよーさん!!……元気そうで、何よりだ」

 一瞬だけ安堵したような表情を浮かべるが、直ぐにハツラツとした笑顔に変わる。

「今日は早いな!そんなに体動かしたかったか?」

「はい、久しぶりで待ちきれなくて」

「そーかそーか!!」

 カインが笑っていると、ディオンが静かに現れた。

「おはようございます」

「おはよう」

「おはよーさん!!」

「もう怪我は大丈夫か?」

「あぁ、だいぶ良くなったよ。ただまだ完治はしてないから、あまり激しく動くなとは言われてる」

「そうか」

 それだけ聞くと、彼はウォーミングアップを始めた。

「エノク様にリハビリ用メニューを貰っておいたからな!最初のようなヘマはしないぜ!!」

 エノクのリハビリメニューは確かに激しく動きはしなかった。怪我の治りを邪魔せず、筋肉が衰えないようにするとかなんとか。実際、何セットもやると結構キツかった。


 それから更に1周間が経ち、ようやく激しい運動の許可が出た。これでようやく対人練習ができる。

「さぁ、来い」

「行くぞ!」

 力を込めて木刀を振るう。ディオンは軽くいなすと、すかさず反撃をしてくる。なんとか躱すが、間髪入れずに追撃が来る。防いで反撃を狙うが、すぐに距離を取られる。序盤こそ互角のようであったが徐々に押されていき、首に木刀を突き付けられてしまった。

「降参だ……」

「……」

 無言で差し伸べられた手を掴み立ち上がる。

「お前はいちいち力を入れ過ぎだ。そのせいで動きが大振りになっている」

「うっ……わかってはいるんだけど」

「直せ。力が強いのはお前の強みだが、振るたびに無駄に力むな」

「……わかった、気をつける」

 その後も何回か手合わせをして、その度に厳しいアドバイスを貰うのだった……

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