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福音と甘言  作者: はまみ
10/110

10話 できることから始めよう

「ほんっっっとーにすまん!!!!」

 練武場の隅に着いた途端、カインは凄まじい勢いで頭を下げた。

「まさか倒れるほど無茶してるなんて思わなかったんだ……!!なのにオレは能天気にオマエが走るさまを眺めていた……!!!オレは指導者失格だぁ!!!」

 土下座しながら号泣する様はなかなかに異様な光景で、その熱量に思わず引いてしまう。

「お、オレも無茶したから……」

「いーや!!これはオレの責任だ!!!無茶をさせないのも指導者の役目でしょ。とエノク様にも言われたが全くもってその通り!!!オレは、オレはぁ……!!」

「見ての通り元気だから!なんともないから!!だから、オレに剣を教えてほしい……です」

 彼の砕けた雰囲気に流されていたが、オレは彼に教えを請う立場だ。礼は弁えるべきだ。

「ホントか……?ホントに、オレでいいのか……!?」

「はい、お願いします」

 涙目で不安そうにオレを見る彼に、頷きながら答えると、

「うおおおおお!!!!絶対にオマエを誰にも負けないようにしてやるからなああああ!!!!!」

 更に大号泣してしまった……

「……師匠、準備できました」

 カインの大号泣をよそに現れたディオンが淡々と報告する。若干引いてる気がする。

「おぉ、グスッ、おつかれ、ディオン」

 のそりとカインが立ち上がる。

「そうだディオン、この前はありがとな!見ての通り、お前のおかげでルークに後遺症はないそうだぜ!!」

「礼を言われることなど、何も」

 カインの言葉にディオンは無愛想に答える。オレのことなど眼中になさそうだが、なにかしてくれたのだろうか?

「ディオンのおかげ……ですか?」

「おう、オマエ倒れたあと応急手当てをしたのはディオンなんだ!!オレが医者を呼びに行ってる間にしてくれててな?完璧な処置だって医者も驚いてたんだぜ!!!」

「そうだったのか。ありがとう、ディオン」

「……当然のことをしたまでだ」

 顔を逸しながらディオンは答える。少し耳が赤くなっている気がした。

「うし、じゃあ始めっか!!」

 カインの掛け声と共に走り始める。無茶はしないように、できることから始めよう。

祝、1万文字


カインは元からこういうキャラを想定していましたが、前回登場時がちょっと圧が弱めだったで強めておきました。

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