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役職は勝手に決められる

「全警備兵へ、東岸監視基地で非常事態だ。侵入者は男性、190cm、髪は茶、筋肉モリモリ、マッチョマンの変態だ」

 そんな無線が入る。

「了解した。」

 酒場で連絡を受けた俺はそう返信し、もう少しで落せそうな女たちに向かって言った。

「かっこいいトコ見せましょ。」

 その数分後、圧倒的な筋肉から成されるパワーを前に、カッコ悪いトコを見せることになる。


「俺は変態じゃない!!」

 全てを制圧し宣言したのは、辺境の島国、その警備兵である俺たちでさえ知る最強のヒーローだった。


「娘の元に行かなければならないんだ!!」

 そう鬼気迫る表情で警備兵を殲滅し続ける憧れのヒーローに、戦意喪失、武器を棄て、歩み寄る者がぞくぞくと現れた。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「じゃあ、クラスの代表は百道と黒瀬ってことで決定だぞ。」

 やる気があるのかないのか分からない担任の声が教室に響く。

 推薦で決定された前期文化祭のクラス代表。

 その決定を宣言した。

「なんで私じゃないのよ!!」

 そんな教室で1人不満を爆破させるのは留学生、レインボークリスことクリスティン・メイトリクスだ。

「アイツよりも私が代表でしょうが!!」

 そう静かに黒板を見つめる黒瀬香紅璃を指す留学生。

「投票の結果だぞ。」

「なんで私が一票なのよ!!」

 不満全開で怒鳴ったクリスティンに、

「そういうところだぞ。」

 英雄高校能力科2年担任の大松は、そうクリスティンに指摘した。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



 担任の大松先生から放たれた言葉に、脳内はパニックだった。

 私が前期文化祭のクラス代表…

 クラス総出のイジメかな…

 泣いて逃げ出したい思いを押し殺し、ジッと耐え、黒板を見つめる。今動揺したらイジメは加速する。なんてことないって雰囲気でいなければ…

 そんな最中、怒鳴り声を上げるメイトリクスさん。

 代表になりたい人がいる。

 なら任せよう。

 そう思い、深呼吸した私はゆっくりと立ち上がった。


「お断りします。なりたい人が代表として頑張る方が意義があると思いますので…」

 予想以上に注目を浴び、言うと同時にゆっくりと教室を出た。

 出た後は全力疾走だ。消えてなくなりたい…

 多分、今頃教室では私をみんなで笑っている筈だ。

「イジメ駄目、絶対…」

 泣きながら私は行きつけのトイレの個室に籠もった。




−−−−−−−−−−−−−−−−−



「香紅璃様怒ってたよね…」

「どうしよう、嫌われちゃったかも…」

 慌てふためく教室内。

「というわけで、代表はメイトリクスだぞ。」

 そんな空気を完全に無視しそう言って教室を出る担任。

「お願い、クリスティンちゃん!!香紅璃様の為に!!」

 そうクラスメイトから願われる。


「納得いかない…」

 不満しかしない前期文化祭のクラス代表として私の初仕事は、黒瀬香紅璃のご機嫌伺いだった。






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