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女王様がいっぱい

「で、なんの用だ?」

 子どもたちを学校に送り出した後、突然の来客に妻は不機嫌に対応する。


 来客はヒーロー協会監理部長直属の部下。僕の様な底辺ヒーローと関わることのないトップヒーローや協会の問題に携わるその部署がやって来たということは、僕ではなく、妻に用事があるのだと察した。


「昨晩、あるヴィランの組織が壊滅しました。まずはそのお礼を…」

 ダラダラと脂汗をかき、今にも気絶しそうな顔色でヒーロー協会の職員が某高級羊羮の包みと分厚い封筒を机に恐る恐る置く。

「テメェのガキが狙われたんだ。ガキ守んのは親の仕事だ。礼は要らねぇだろ…」

 そう言って神娘は礼を突っぱねた。

 そして、続けて言う。

「まずは、詫びじゃねぇのか?ガキの平和1つ守れねぇで何がヒーロー協会だ。」

 女王の如く足を組み、肘当てに腕を置く神娘の声は平淡としているが、溢れ出す殺気は荒れ狂っている。

「そ、その…それは…」

 言葉に詰まる職員。その原因は、きっと状況の不利よりも、神娘の殺気に意識が朦朧としていることが原因だろう。

 逆にいえば、神娘の殺気に耐えられているというだけで、トップヒーローと同等の実力者であるということでもあるのだが。

 やっぱり、ヒーロー協会は闇が深いなぁ…


 自分の妻のことは棚に上げ、僕は神娘の隣でお茶を啜った。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「んで、お前誰じゃ?」

 上下豹柄の面積の小さい下着を着けながら僕に言う美女。

下間(しもづま)来庵(らいあん)です。」

 そう全裸のまま正座させられた僕は、いきり立つもう一人の僕を抑えながら言う。

「坊主みてぇな名前じゃのぉ…俺ぁ坊主は説教臭うて嫌いじゃ。」

 下着姿のまま、正座する僕の大切のところを踏む彼女。

「あのぉ…あなたは…アヒぃィン!!」

 物凄い足使いにビクッと身体を震わせながら僕は彼女に質問した。

「阿賀舞風様じゃ。オメェ恵まれとるのぉ…俺みてぇな最高の御主人様を得られてのぉ…」

 タバコを吹かしながらグリグリと足で僕を弄ぶ彼女。

「ええもん持っちょるけぇ、あんたぁ特別に可愛がっちゃるけぇのぉ…」

 ニヤリとサディスティックに笑う彼女に、僕は新しい扉を開いた。


「女王様…」

 僕は無意識にそう呟いていた。


 その数分後、またゲロを吐かれた。




−−−−−−−−−−−−−−−−−



「香紅璃お姉ちゃん家凄かった。」

 登校途中、そう僕に一生懸命語る妹だが、話の内容は一切入って来ない。

 妹の話し以上に、気になることがあるからだ


「お嬢と坊ちゃんを守れ!!」

「「「おおっ!!」」」

 どう見てもカタギじゃない人たちが僕たちを囲んでいるからだ。

 そもそもこの人たち、この間まで氷華を襲ってた人たちだよね!!


 そんな異様な状況に何も思わず、当然という様に女王の如く歩く妹が1番怖かった。


「氷華ちゃん…」

「あ、お姉ちゃん!」

 そして異様な輪にまた1人加わる。

「今日遊びに行っていい?」

「うん、お菓子準備しておくね。」

 母さんに少し似た女子高生と友達の妹は、そんな風に話しながら登校する。


「まあいいか…母さんの娘だし…」

 妹の異常さをその言葉で片付けた。

 そもそも、妹に友達が出来ただけで十分だ。

 兄としてそう思いながら、

「毎日これは嫌だなぁ…」

 

 イカつい連中と異常に綺麗な女子高生、べらぼうに強い妹と共に登校するのは勘弁して欲しかった。












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