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初めての…

「香紅璃のお友達…」

 母までも涙していた。

 私って、家族にどう思われてるんだろう…

 両親の反応に泣きそうになった。

 コミュ障の私が悪いのは分かってるけど、実の両親からこの評価は割と堪える。

 自分なりに頑張ってるのに…


「お姉ちゃんの家凄い…」

 氷華ちゃんはソファに腰を降ろしながら、落ち着かない様子でそう言う。

「ごめんなさい…」

 居た堪れない空気に、私は俯きながらそう返した。


「「お姉ちゃん!!」」

 氷華ちゃんの言葉に変な反応をする両親。

「そうかぁ~、妹かぁ~。」

「香紅璃のお友達は可愛いわね~。」

 氷華ちゃんににじり寄る両親。

「氷華ちゃん、いつでも遊びに来ていいからね~。」

「ふふっ…可愛いわぁ〜。」

 氷華ちゃんを撫でくりまわす両親。

「やめてよ!!氷華ちゃんに変なことしないで!!」

 そんな両親の手を払う私。

「お姉ちゃん大きい声出せるんだ…」

 氷華ちゃんにそう言われ、私は恥ずかしさに俯いた。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



 酸っぱい匂いと顔にまとわりつく不愉快な感覚で目覚めた僕は、それを確認し身体を起こす。

「最悪だ…」

 ゲロ塗れになっている自分。しかも何故か全裸。

「シャワー浴びたい…」

 そう思うが、シャワールームから聞こえる音に、近付くことが出来ない。

「凄くいい思いをした筈なのに…何も思い出せない…」

 裸でホテルのベットにいるということは、(ゲロ塗れなのは割愛し)昨夜、つまりそういうことがあったのだろうと確信めいたものを感じるのに、その記憶がない。

「クソっ…なんで思い出せないんだ!!…ってか、やっぱ臭ぇっ!!」

 まとわりつくゲロの香りが不快感を呼び戻す。


 うんうんと呻きながらゲロの香りの中、必死に昨夜の記憶を辿っていたら、シャワールームの水の音が止まる。

「起きたんじゃな。」

 首に掛けたタオルでボサボサの真っ赤な髪の水気をとりながら、全裸の美女が出て来た。

「アババ…」

 眼福な光景ながら、一切恥じらいの無い彼女に何故か僕の方が恥ずかしくなり、顔を背けてしまう。

「ってかクセェんじゃ!!さっさ風呂入りんしゃい、ゲロ野郎!!」

 そんな僕に不快そうに怒鳴る彼女。

 あなたのゲロなんですが…

 とは怖くて言えず、いそいそとシャワールームに駆け込んだ。


 ゲロを流しながら、瞼の裏に残る彼女の裸にいきり立つもう一人の僕。

「鎮まれ…鎮まれぇ…もう一人の僕…」

 初めて見た(多分昨晩も見てる)本物の女性の裸体は、聖典(エロいアレ)とは違い、刺激が強過ぎた。

 なんとか鎮まったもう一人の僕をタオルで隠しながら、シャワールームを出た。


「よぉ、長かったのぉ~。」

 真っ裸に肩に掛けたタオルだけという姿のまま、タバコを吹かす彼女に、鎮まった筈のもう一人の僕が再びいきり立つ。

「い、いいもん持っとんじゃのぉ…」

 煙を吐きながら目を丸くした彼女に、僕は腰に巻いたタオルが落ちたことを知った。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「またね、お姉ちゃん。」

 手を振り帰る氷華ちゃんと、深々と頭を下げ、彼女を追いかける彼女のお父さん。

「またね…」

 そんな彼女に私も小さく手を振った。

 初めての友達は小学1年生。

 年の離れた妹みたいで可愛い女の子。

 凄く嬉しいんだけど…


「ふふっ、お姉ちゃんねぇ〜。」

「お姉ちゃんだなぁ~。」

 ニヤニヤと私を見る両親にイラッとする。


「プリンあげないからねっ!!」

 氷華ちゃんのお父さんから貰ったお土産のプリンは独り占めすると決めた。











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