Boy meets girl and women meets piece of meat
「神娘…テレビに映ってたよ…足元だけだけど…」
トップヒーローとトップヴィランの土下座姿と共に、我が妻の足元が全国放送されていたことを、パンパンに詰まった複数の有料レジ袋を持って帰って来た妻に伝える。
「…人違いだろ。」
目を合わせずに言う妻。
「私はお淑やかな百道の奥さんなのだから。」
それは神娘が勝手に造った設定で、現実は元ヤンの最強母ちゃんであることをご近所さんは知っているのだが、神娘は何故かその設定を貫こうとしている。
「そうだね…神娘はお淑やかだもんね…」
トップヒーローと最警戒凶悪敵相手にカツアゲして帰ってくる妻に対し、僕は天井を見てそう答えた。
レジ袋についた赤黒い斑点を見ない様に…
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「まだ食うのかよ!!」
牛丼を奢ることを条件に妹とどういう関係かを聞き出す筈だったのだが、今は空になった丼を下げに来た店員(18回目)に注文を続をするクリスティンにそう思わず怒鳴った。
「ひぇんひぇんひゃりにゃいひゃよ!!」
「汚えな!!飲み込んでから喋れよ!!」
尚も食べながらそう言うアメ車ガールに再度怒鳴る。
ゴクン!!と口いっぱいに頬張った牛丼を咀嚼し飲み込んだクリスティンは、
「けちくさいわね!!燃費が悪いんだからしょうがないじゃない!!」
そう俺に向き合って怒鳴り返してくる。
「だからって、遠慮くらいしろよ!!」
財布の中を心配する俺はそう悲痛の声で言う。
「遠慮…?」
それまで流暢に日本語を話していたメリケンガールは、未知の言葉に出くわした様に頭の上に疑問符を浮かべながら言う。
「嘘だろ…コイツ…」
結局、牛丼(特盛)34杯の会計を済ませた俺(クリスティンは一文無しだった)の財布は氷河期を迎えた。
「お腹空いた~!!」
武生院まで帰る道中、そう言うクリスティンを置いていく決断は間違っていなかったと俺は思う。
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「どこ行きやがった!!あのクソガキ!!」
一瞬の隙をついて姿を消した護衛対象、クリスティンお嬢様を探し、武生院の中を歩く私は悪態吐く。
「姉さんめ…いつか絶対に復讐してやる…」
そんな私の前に、某RPGに出てくるスライムみたいな姿になった肉塊がそう悪態吐きながら私の前に現れた。
「化け物!!」
突然の遭遇に戦闘態勢をとる。
「失礼だな!!…というか、君は誰だ!!」
肉塊が私同様に戦闘態勢をとった。




