現代っ子
「クリスティン。クリスティン・メイトリクス。ヒーローネームはレインボークリスよ。」
世界的ヒーローという自覚がある私は、そうアホの子に自己紹介する。
「クリスティン…クーちゃんかぁ~。なんでウチに居んの?」
人に宝くじのマスコットみたいなあだ名を勝手につけながらそう聞いてくる。
「だ、誰がクーちゃんよ!!そもそもアンタ、私は…」
「えっ!!ヤバッ!!メッチャリプ来てる!!」
私を無視し、デバイスを弄る凛樹。
このガキぁ…
マイペースにも程がある。
「アンタねぇ!!」
少し説教してやる。そう思った私。
「いえーい、もう1枚。」
そんな私に抱きつき、デバイスで更に写真を撮る彼女。
ぶん殴ってやろうか…
「見て見て、ヤバイよ!!十分でアクセス数No.1!!」
そう私にデバイスを見せる。
「レインボークリス?って凄いんだね~。クーちゃん!!」
果して、このバカがレインボークリス=クーちゃんだと認識しているのか分からないが、大量の好評価のコメントは、私の自尊心を湧き立たせるには十分だった。
「ぬるい写真で満足してんじゃないわよ!!この私が写ってるんだから!!もっとバズらせなさい!!」
「クーちゃんメッチャ乗り気じゃん!!マジ最高〜!!いっちょやりますよ~!!」
彼女の能力で映える背景が創られ、お互いにバシャバシャと大量の写真を撮る。
「ヤバイ!!これ最高〜!!」
「こっちも最高よ!!」
意気投合し、お互いにデバイスを見せ合いながらハイテンションになっていた。
「飯だって言ってんだろうが、クソガキ共!!」
放たれた殺気に2人揃って土下座した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−
「氷華ちゃん、宿題は終わったのぉ?」
おじいちゃんがそう言って私の傍に来る。
「終わったよ。モフ白のおかげ。」
そう言ってモフ白に抱き着く。
昨日お風呂に入り、ブラッシングされたのでモフモフ具合が倍増して凄くモフモフしている。
「ほほ、それは良いことじゃ。氷華ちゃんは偉いのぉ~。」
そう言って私を撫でる。
「凛樹ちゃんも頑張っておるじゃろう。」
「お姉ちゃん大丈夫かな?」
おじいちゃんが天井を見上げてそう言うので、私は少し不安になって聞いた。
「大丈夫じゃろう…」
好々爺という笑みで私をもう一度撫でるおじいちゃん。
「なんせ神娘の娘じゃからのぉ…」
おじいちゃんの言葉は、私の目を見て呟かれた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−
「モッチーとレインボークリスのツーショット…尊い…」
あの胃の粘膜が削り取られる様なプレッシャーを感じたイベントが終わり、休養日の俺はベットに寝そべりながらデバイスから映し出された画像を眺めていた。
突然公開されたモッチーとレインボークリスのツーショット写真は、瞬間最高アクセス数世界一位となった。
それと同時に、
『レインボークリスの隣の子めっちゃ可愛い!!』
『俺がモッチーのファンNo.1』
というコメントが見られた。
「俺がモッチー最大のスポンサーだ!!」
モッチーへの御布施ランキング一位である俺には許せない状況になっていた。
『アルさんとかいう金にもの言わせたファンは淘汰されればいい。』
そんなコメントをした男と一日中レスバを繰り広げる休養日となった。




