表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/112

メンタルおばけ

「百道…お迎えが来てるぞ…」

 補習を終えた生徒に、そう伝える。

「お迎えって…本当のお迎えだよ…」

 ヘヘッ、と笑う美少女の笑みは全てを諦めた儚さがあった。

「明日休むかも…」

 そう言って教室を出た百道から、一種の覚悟が見えた。


 頑張れよ、百道…

 なんやかんや、可愛い俺の生徒だよお前は…

 問題児だが憎めない。手の掛かる生徒だが、1番思い出に残る生徒。

 百道凛樹はそんな生徒だった。


 そう見送った翌日、あの母親にこってり絞られたであろう百道は休みになると思っていたが、ケロッとした顔で教室にやって来た。


「マジで死ぬかと思った~!!ねぇ、マジママ有り得なくない?先生?」

「だったらちゃんと勉強しろよ!!お前の為の補習だぞ!!」 

 翌朝、ブーブー母親への愚痴を吐き出す彼女に、怒鳴りながら思った。


 頑丈だなぁ…百道の子どもは…



−−−−−−−−−−−−−−−−−



 補習が終わり、校門も裏門も使わずに、コソコソとフェンスを越え、着地した私の目の前にママがいた。

 逃げることも抵抗することも出来ずに、襟を掴まれ、家まで引き摺られたのだった。


 居間に正座させられ俯く私、顔面蒼白で嫌な汗がダラダラと流れている。

 映し出された成績表と補習の通知。黙っていれば武生院(おじいちゃん家)でやり過ごせると思っていたけど、爪が甘かった。

「凛樹…何か言い訳はあるか?」

 熊くらいならその殺気だけで殺せる程の圧を放ちながら、笑顔で聞くママ。

「ごめんなさい…殺さないで下さい。真面目に補習受けるから…」

 ベタァと床に頭をつけた、見事な土下座をする。

 そんな私を見て、はぁ…と溜息を短く吐いたママ。

「…補習を受ける?当たり前じゃバカ娘ぇ!!そもそもなんだこの点数は!!」

 ダメだ、完全に元ヤンモードになってる…

「ギャヒン!!」

 拳骨が落とされた。


「痛ったい!!バカになったらどうすんの〜!!」

 頭頂部を撫でながら涙目でそう言う私。

「十二分にバカだろうが…バカ娘。」

 グニぃとホッペを引っ張られる。

ひゃかしゃないみょん(バカじゃないもん)!!」

 そう言うが溜息を吐かれる。

「大バカ娘…いっぺん死んでみるか?」

 ホッペを引っ張られたまま放たれる、尋常ではない殺気に、呼吸が出来なくなってくる。

ごぺんなひゃい(ごめんなさい)…」

 ボロボロと涙を流してそう謝った。

 そんな私を見て、ママは大きな溜息を漏らし言った。

「補習、絶対にサボるなよ。次はねぇぞ…」

 今日1の殺気を放ち台所に向かって行った。

 

 そんな片隅で、終始ガタガタと震えていたパパと知らない外国人2人。

 あの子可愛いなぁ…一緒に写真撮ればバズるの確定だわ…

 そんなことを思いながら土下座していた。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「めっちゃ可愛い!!」

 あれ程の殺気を受けながら、既にケロッとした態度で私に抱き着く最強生物の娘。

 どういうメンタルしてるのかしら…

「私凛樹!!よろしくね!!」

 そういいながらデバイスを操り、バシャバシャと写真を撮っている。

「ちょっと!!アンタなにしてんのよ!!…私を誰だと…」

「ヤバ…めっちゃバエてる〜。美少女2人ってパナイゎ〜。」

 抗議する私を無視し、デバイスで撮影した写真を確認している凛樹と名乗った少女。


「で、アンタ誰よ?」

 それは写真撮る前に聞くことでしょうが!!なんかちょっとズレてるわね、この子…

「バカ娘…」

「オメェもだろ。」

 そう呟いた私に、アイギスが私に悪態ついた。


 父の秘書は、最近当たりが強い気がする…

 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ