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愛嬌だけではどうしようもないことがある

「先生も大変だね~。」

 問題が映されるデバイスから顔を上げ、そう言う問題児、百道凛樹。

 周囲から頭1つどころか、2つも3つも抜けた容姿と、誰にでも陽気に振る舞う性格で、学校一の有名人であるのだが、学生としては、完全な問題児であった。

 赤点常習犯であり、授業や補習をサボることも多い。

 しかし、どこか憎めない愛嬌ある生徒であった。


「そう思うんなら、ちゃんと授業受けて赤点取らない様にしろ。」

 呆れた溜息を漏らしながらそう言う。

「じゃあ、テストもっと簡単にしてよ~。」

 そういいながらニッっと悪戯ぽく笑う。

 彼女と同級生の男子たちなら、一瞬で魅了されるであろう。

「巫山戯たこと言ってんじゃない。赤点取らない様に努力するのが学生の仕事だ。」

 そんな笑みに絆されずに、ビシッ言う。

「ケチ〜…」

 そう言って拗ねた顔をする百道。

「そもそもお前、進学出来るか危ういの分かってるのか?」

 自分の置かれた危機的状況を理解していない生徒に現実を伝えた。

「先生冗談下手くそ〜。いうて余裕っしょ~。」

 ケラケラと笑う彼女。

「残念だが冗談じゃないんだ…自分のバカさ加減を知れ百道…」

 教師としても認めたくないが、彼女が合格出来る高校は殆どない。


「アハハッ!!いやぁ~有り得ないっしょ!!…マジで?」

 陽気に笑っていたが、青い顔になってそう聞いてくる。

「大マジだ。お前が行けるのは名前書けば合格出来る高校だけだ…」

「す、推薦とか出せるでしょ?先生?」

 上目遣いでそう言うが、顔色が悪い。

「無理だろ…帰宅部で補習さえサボる奴に…」

 アワアワと慌てだす百道。

「ヤバイ!!ヤバイよ~!!先生なんとかしないと!!」

「なんとかするのはお前次第だろうが!!」

 あくまで他力本願な問題児にそう怒鳴る。

「マジでヤバイ!!本当にマジでヤバイんだって!!」

「先ずその乏しい語彙力をなんとかしろ!!」

 そんなことを言い合う。


「マジでヤバイんだって!!ママに殺される!!」

 頭を抱え震え出した百道。

「…すまん、今朝お前のお母さんに連絡した。」

 百道のお母さんのヤバさは知っている。しかし、安否確認もあり、連絡しないわけにはいかなかった。

「終わった…」

 そう呟いた百道は、一筋の涙を流し、全てを悟った表情で天井を見ていた。


 その姿は、数時間後に死刑が確定した死刑囚の様だった。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「あのバカ娘ぇ…」

 朝食を終え、開店準備をしようとしていた時、平謝りしていた電話を切った神娘が殺気全開でそう呟いた。

 ヤバいな…あの頃(元ヤン時代)の目をしてる…

 その殺気を受けた宿泊客2名はガタガタと震え、僕も気が気でない。

「凛樹…説教ではすまんからな…」

 青筋を立て笑う妻。


 今日、接客出来るのかな…


 開店後、結局接客は一宿一飯の恩を受けた2人にお願いした。





 

 


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