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これは良いモフモフ

「私とどっちが強い?」

 武生神娘の目つきが変わった。それと同時に抑えている様だが溢れ出す殺気。

 秘書兼ヒーローとしてワンマンコマンドーと共に何度も戦いの場に立ってきた私には分かる。


 武生神娘、こいつはヤバ過ぎる…


 ヒーロー協会の存在意義に関わる。

 最強のヒーローも、最凶のヴィランをも凌駕する力。

 そんな噂は間違いなく本当なのだと理解した。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「アンタ、怪獣よね?」

 ブランコで遊ぶ氷華を見守りながら、隣に座る巨大な真っ白いモフモフにそう聞く。

 氷華が見つけたその生物は、私たちと同じ言葉を喋り、意思疎通が出来た。

「怪獣…そうだね…生物としての位置づけでは、僕は怪獣なんだよね…」

 そう言いながら下を向くモフモフ。

「どうしたって、僕は怪獣なんだ…そう生み出されたんだから…でも、怪獣じゃない生き方をしたいと思った。」

 空を見るモフモフ。

「怪獣じゃない生き方ってなによ?」

「分からない…でも、怖がられずに、必要とされる。そんな夢は見るんだ。…例えば、子どもと一緒に遊ぶペットだっていい。誰かの大切な時間の一部になりたいんだ。産まれた意味が欲しい…それが誰かの不幸ではなく、誰かの幸福の為でありたいんだ。」

 小さな夢。

 怪獣として生まれなければ、簡単に達成出来る簡単な夢。

 しかし、このモフモフには夢のまた夢。

「モフモフ…アンタ、偉いね…私よりも…」

 真っ白な毛を撫でる。触り心地の良いそれは凄くモフモフしている。

 夢も目標もなく、ただ生まれ持った容姿を活用して生きる私には、隣の怪獣が怪獣には思えなかった。


「ペット…か…」

 

 こいつ、なに食べるんだろう?

 そんなことを考えながら財布の中身を見た。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「いらっしゃいませ~。」

 扉が開くと同時に鳴る、カランという鐘の音に反応して、反射的に来店した客にそう言った。

「本日のプリン1つ。店内で食べる。」


 もう20年以上前になる。

 あの戦いの後、バイトしていた洋菓子店での出会いを、僕は一生忘れない。


-----


 膝の辺りまで伸びた艷やかな漆黒の髪に整い過ぎたともいえる程の顔立ち。

 厚手の冬服制服の上からでも分かるバツグンのプロポーション。

 そんな名門のお嬢様学校の制服を来た少女は、あの戦いを片手間で終わらせたあの少女だった。


 僕に一切の興味もなく注文を終えた少女は、不機嫌そうに店内の飲食スペースに座った。

 僕は分からなかった。

 何故あの少女がここに居るのか。なにより、何故返り血塗れなのかが…




 

 

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