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妻のクイズは難しい

「何か言うことがあるだろう?」

 武生院に来て以降、終始不機嫌な妻は、嘗て自分の部屋であった場所で僕にそう言った。


 現在は客室となった十二畳の和室には、鏡台と小さな小物箪笥があるのみで、人がそこで生活していた面影は無い。

 そんな部屋の中で、神娘は寝間衣姿でそう詰め寄る。

 久々に見る妻の和装。言わんとすることはなんとなく分かった。

「綺麗だ。神娘には和装が似合う。」

 見た目だけは和風清楚な妻にそう伝える。


 正解だと思って伝えた言葉は…

「何を言っとるんだお前は…」

 呆れられた。

「私が席を立った後、どうせあのクソジジィが、勝手に子どもたちに小遣いを渡したり、光に指導を申し出たりしたのだろう!!」

 そっちでしたか。

 グレて以降、今だに神娘と彼女の父紅雪の仲はぎくしゃくしている。

 一時は和解に向かっていたのだが、家庭を優先する神娘と、孫に気に入られることが第一になった義父の間の溝は埋まるどころか、深くなっている。

 そんな神娘が最も嫌がるのが、子の教育に口を挟まれることだ。

 それをしていると彼女が察知したのは、光のヒーローとしての研修が始まることが決まったからだろう。

 それがあったのではないかと、神娘はご立腹なのであった。


「大丈夫、光は神娘が一番って言ってたから。」

 物は言いようというが、凄く都合良く伝えた。

「そんなのは当たり前だ!!あのクソジジィが我が家に干渉したのが気に入らないと言っているんだ!!」

 怒った様に言うが、僕は神娘が一瞬ニヤけていたのを見逃さなかった。

「光に限らず、子どもたちの未来を思うなら、義父さんや神也くんの協力だって必要だよ。神娘が一番なのには変わりないけど。」

 最後の方を念押ししながらそう言う。

「…考えておく。」

 拗ねた様にそう小さく、呟く様に言う神娘は、自分でも今のままではいけないと分かっている。


「それはさておき、出先でとは…大胆になったな、乱鶯。」

 そう言って、寝間着をはだけさせる神娘。

 不正解の解答に関しては、そういう認識をされたらしい。

「お前が求めるのだ、妻として拒めんな…」

 少し嬉しそうに言う神娘。

「愛してる神娘…」

 身から出た錆。

 覚悟を決めた僕は、明日の仕事の心配を一時頭の外に放り投げ、彼女の夫としての務めを果たした。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「絶対に潰してやる…」

 No.1ヒーローアルティメイターは、連絡員によって用意された資料に目を通し、怒りを顕にする。


 連休明け、自分の元で研修を行うことが勝手に決まっていたヒーロー、シャイニングマンこと百道光に関する情報に目を通した結果、アルティメイターの敵と認定した。

 本人は反則級の能力持ちで、可愛い妹が2人いる。

 その時点でツーアウトなのだが、アルティメイターとして最も許せないのは、シャイニングマンの母が、武生神娘こと、百道神娘であることだ。

 彼女のせいで、No.1になった現在でも、劣化版神娘とか、武生神娘の下位互換と評価されているのだ。

 

「許すまじ、百道光…」

 しかし、恨みの対象はその息子であり、研修生となる人物に向かっていた。

 アルティメイターは、彼の可愛い妹や自身の上位互換とされる人妻とのワンチャンを狙っていた。







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