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イメージは大事

 授業参観が終わり、ママと一緒に家に帰る。

 

「氷華、よく出来ていた。」

 上機嫌で頭を撫でるママ。

「うん。」

 ママに褒められるのは凄く嬉しい。ママはもの凄く怖いけど、大好きだ。

 手を繋ぎ、仲良く帰る。


「ママ?パパとママがプロレスごっこするのってダメなことなの?」

 家族からやり直しを命じられた作文は、みんなの手助けもあり、ママに褒められるものになったけど、いまいち納得出来ていない。

「ママ?」

 全く答えが返って来ず、不安になってママの顔を見上げる。

「み…見たのか?」

 真っ赤な顔で泣きそうになっているママ。

「うん。」

 初めて見るママの顔に、少し戸惑いながら返事をする。


「忘れろ!!いいな!!絶対に忘れろ!!お前にはまだ早い!!」

 凄い剣幕でそう言うと、私を抱え上げて大空を走る。

「あ、鳥さん。」

 ママに抱えられ、大空から街を見下ろす。いつもとは違う風景が面白い。

「絶対に他所で言うなよ!!」

 更に念押しされた。


 結局、2人が何をしていたのか、ママがなんであんなに赤くなっているのか、分からないままだった。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「気を付けよう。これから…」

 枕に顔を埋め、真っ赤になっている妻にそう声を掛ける。

「手遅れだ!!明日から、『百道さんはお盛んねぇ〜』なんて指さされるんだぞ!!」

 街中で放たれた娘の言葉は、予想以上のダメージを負わせたらしい。

「清楚な私のイメージがぁ~…」

 枕を濡らす神娘。


「大丈夫だと思うけど…」

 そもそも、そんなイメージは誰も持っていないと思う。

 毎朝聞こえるドスの効いた怒声や、指先一つで怪獣も怪人も、ヴィランもヒーローもダウンさせる百道の奥様をご近所さんは知っているし、清楚なのは見た目だけだと周知の事実なのだから。

「奥様ネットワークを甘く見るな!!」

 そのネットワークから弾かれた人がそんなことを言った。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「お前んちっていいよな。」

 昼休み、そんなことを光に向かって言うクラスメイト。

 そんな言葉に、俺以外がうんうんと頷く。

「ただのプリン屋だぜ?」

 俺は、一応父がヒーローであることを完全に忘れていた。

「それは別にどうでもいいよ!!俺たちだって、流石にプリンを羨ましく思う小学生じゃねぇよ!!」

 そう言うが、あまり大差ないと思う。

「街でも有名な百道の美人姉妹が妹で、おまけにあの母ちゃんだろ!!」

 そう言うこいつらは、その母ちゃんがどんなに恐ろしいのかを知らないのだろう。

 仮に知っていてそう言えるのなら、どこか頭がおかしいと思う。

「確かに、俺の妹は世界一可愛いが…あのババアがそんなに羨ましいか?」

 凛樹も氷華も世界一可愛い。仮に世界で一番可愛い妹を決める大会があれば、文句無しに2人とも同時優勝だ。

 しかし、恐怖の権化たる母は母でしかない。


「持てる者の余裕は違うねぇ…」

 そう恨み深く言う奴ら。

「百道の奥さんと言えば、美人で何時までも若い!!街内の旦那の憧れだぞ!!」

「和風清楚な美人!!」

「それでいて色気を感じさせる蠱惑の表情!!」

「「「そして何より、おっぱいが大きい!!」」」

 そう拳を握り力説する奴らを冷めた目で見る。

「オメェらの趣味はよく分かった…要件はなんだ?」

 大きく溜息を吐き、そう聞く。


「友だちとして家に遊びに行かせて下さい!!」

 そう頭を下げる連中。

「見返りは?」

 そう、交渉には対価が必要だ。

「凛樹ちゃんと仲直りするシナリオがあります。」

「よし、今日から俺たちは友だちだ。」

 男の友情が結ばれた。



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「百道って、将来有望だし、顔も悪くないけど…」

 トップヒーローの確約に加え、高身長で顔立ちも悪くない光だが…

「「「アレはないわ~…」」」

 クラスの女子はそんな結論を出していた。



 光は、極度のシスコンにより、人生最大のモテ期を自ら潰していた。








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