結局やっぱり嫌い
「んじゃ、退院祝いの景気付けといこー。」
退院直後の私を無理矢理引き摺りながら、百道凛樹は某ゲーセンと簡易スポーツが楽しめるラウンドでワンな巨大アミューズメント施設に連行し、そう言う。
助けを求め見るバカ女の相方であるデカ女は…
「あ、これ可愛い…」
クレーンゲームの景品に釘付けになっている。
「大椰〜、今日はゲームじゃなくて身体動かすの〜…あ、でも可愛い〜。氷華喜ぶかも〜」
そう言いながら、私を放置し、クレーンゲームに夢中になる2人。
「なんなのこいつら…」
2人から逃げる様に施設の奥が向かう。
基本インドア派だが、ゲームと2次元は大好きな私。
久々のアーケードゲームに、腕が鳴る。
「とりあえず、バーチャなファイターをしなきゃ…」
あの青いロゴを見ると愛おしさを感じる生粋のセ◯ユーザーである私。
「なんでラ◯ワンなのよ…普通G◯gaでしょうが!!」
嘗てはセ◯ワールドという素晴らしい名前だった施設こそ私が外に出る理由。
他には電子版では販売されてない作品を求め行く池袋の乙女ロードとか秋葉原とか…
「ぅぁ~、れーちゃんめっちゃゲーム上手いじゃん~。」
対戦相手を軒並み退ける私の背後から、突然、百道凛樹が抱き着き言う。
「ぐぇ…っ!!ちょっと!!手元が狂ったじゃない!!」
僅かな操作ミスが対戦を左右するのが対人ゲーム。
「一発で取れたんだよ〜。凄くない!!私。」
「私の二千円…いっつもいいとこばっかりとっていきやがって…」
クレーンゲームで取れたぬいぐるみを自慢気に見せる百道凛樹と涙目で恨み節を唱える加瀬大椰。
「やっぱ嫌い…」
敗戦の原因を作った百道を睨みながら私はそう呟いた。
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「先ず聞くわ、『イトスギ』って何?」
未知の能力者だと判明した黒瀬に対し、私は警戒しながら質問する。
「知りません!!本当に知りません!!」
そう泣きながら答える黒瀬。
「泣けばいいってもんじゃないのよ。言っとくけど、私はヒーローの国際ライセンス持ち。悪に対しては世界中どこでも逮捕権を持ってるのよ。」
黒瀬は何か隠している。私は直感に従い少し脅す様に言う。
「本当に知りません!!『イトスギ』なんて!!」
縋る様に泣きじゃくる黒瀬。しめたと思った。
「そう、じゃあ、『ブラックラピッズ』については知ってるってわけね。」
しまった、という顔をする黒瀬を見て、私はニンマリと笑う。
「洗いざらい吐きなさい!!このレインボー・クリス様が成敗してあげるわ!!」
「お父さんのバカ〜!!」
黒瀬が洒落にならないくらい泣き出した。




