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史上最悪の結婚式

 遡ること15年程前、今でこそヒーロー協会で重役の秘書官となっている身だが、且つてはトップヒーロー目前の若手ヒーローとしてブイブイ言わせていた。

 将来はトップヒーロー。確約された将来。

 そんな栄光への道は、同期のヒーローと集まった時から閉ざされた。


 恋人や結婚、そんな話しがチラホラ上がる同期たちとの飲み会の中で、最も昇格に遠く、最も実力の劣る奴が結婚しており、子どもまでいた事実を知った。

 正式な婚姻から2年が経っての結婚式を挙げると言ったその男の結婚式に興味を持ち出席した。


 洋菓子店でのアルバイトが実質的な本業のヒーローである奴とヒーロー業だけで食っていける奴ら。その差でだけでも天と地程の乖離があるのがこの業界。

 その中でヒーロー協会の中枢にスカウトされた自分に絶対的な自信を持ち、敢えてたんまりと祝儀を包み、格の違いを見せつける思いで出席したその結婚式は、天狗となりかけたその鼻をへし折るどころか、これまで築き上げた自信を完全に消失させるのだった。


「新郎入場。」

 そんな声とともにスポットライトを浴びる同期の男。

 まず、そんな新郎に向けられる殺気に驚愕した。トップヒーロー並の圧、そこで参列者達の異様さに気付いた。

 武生院の連中だけでない…阿賀院にその他複数の武闘家や武術家たち。能力無しの戦いならヒーローたちが足元にも及ばない桁違いの殺気に呆気にとられる。

 そこで思った。自分が見下していた男、同期の底辺ヒーロー『プディングマン』こと百道乱鶯は、いったい何と結婚したのか…

 そんな疑問を解決するよりも早く、正解な現れた。


「新婦入場。」

 そんな言葉とともに開かれた扉の奥に立っていた。

 純白のドレスとベールに包まれたその人は、絶世の美女という言葉さえチープに感じる程の美女。

 一歩一歩と新郎の元へ歩みを進める姿は、天より地上に降り立った女神の様だった。

 しかし、それが女神であり、世界に破滅をもたらす者であると彼女が近づく程に分かる。

 新郎に放たれていた殺気、そんな桁違いの殺気がお笑いになる程の殺気を一歩ごとに放ち、参列者を気絶させて歩むのだから。

 

 こいつが1番ヤバい…

 ただならぬ参列者を遥かに凌駕する、この場における最強…いや、多分彼女より強い者が存在してはならないと思う程に圧倒的な強さを見せつけ、新婦は新郎の横に立った。


 永遠の愛を誓ったふたり。

 しかし、その後新郎新婦に差し出された酒が、永遠に消えることのないトラウマとなる惨劇を引き起こした。




−−−−−−−−−−−−−−−−−




「イェーイ!退院おめでとー!!」

 退院の日、病院を出た私を待ち受けていたには、迎えに来た母と、何故か百道凛樹。

「なんかごめんな…」

 そして、バカデカいことで有名な加瀬大椰までいた。

「…娘の友達が不良…家庭崩壊…ぁあ…ダメ…そう娘を信じるのよ私…だって私の娘だもの…友達なんているわけない…」

 どんよりとしたオーラを放ち、下を見ながらブツブツと呟く母。我が母ながら陰気臭い。

「いやぁ〜、母娘そっくりだね~。」

 そんな母と私を見ながらケラケラと笑う百道凛樹。

「陽キャには一生分かんないわよ…陰キャの気持ちなんて…」

 母同様に負のオーラが私から放たれた。


 なにこれ?新手のイジメ?






 

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