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明晰夢  作者: じぇっと
3/9

第三話 遊園地

ここはいったいどこなんだ?

記憶のない少女「ゆい」

岩に書かれた赤い文字

それは血で書かれていた

バク?

これはいったい何を意味するのか・・・


扉の向こう側、そこには自分とゆいがいた。



「鏡?」


ゆいはなぜこんな所に?と、不思議な顔をして鏡を見つめた。


あきよしも呆気に取られていた。


(何なんだこれは?鏡…、他に何かないのか?)


鏡の周りを調べたが何も出てこなかった。


「岩の文字以外情報なしか…」


と、あきよしは落胆し、鏡を叩こうとした瞬間叩こうとした手が鏡を通り抜けた。


!!




二人は何が起こったのか分からず棒立ちしていた。





「…、ハ、ハハハ!ここまでくると何でもありだな!」


あきよしは冷静を装おうとしたが、混乱しているため声が震えていた。

ゆいも同じだ、鏡から写るゆいの体が震えていた。


「まるで夢の中みたいだ。」


自分で言ってハッと我にかえった。


(夢?)


あきよしは考えた。


(しかし夢が自分の思考がこんなに働くものなのか?)


あきよしはもう一つ気になってた事を思い出した。


あの血文字確か…。


『バク』


バクと言えば夢を食べると言われている伝説の生物と言われている。


何かそれと関係があるのか?


もしくはこれ全てが夢なのか?


(夢ならば…)


「ゆい!この鏡の中へ行ってみよう!怖いなら少し待っててくれ。確かめてくる。」


あきよしは半信半疑であるがここが夢だと仮説した。


「どうしても行くの?怖いよ…」


無理もない、血文字、すり抜ける鏡、現実だったらまず起こらない事だらけだ。


ゆいは明らかに動揺を隠せずにいた。


少し考えた末、



「けど一人はやだ!わたしも行く!」


仮説を立てたが、その仮説が当たっているとはまだはっきりしていない。


むしろ当たらないで欲しかった。


しかし、こんな所まで行って夢オチはごめんだ。


ただ行ってみたい。


ただ確かめてみたい、この先に何があるのか?前の場所との関係があるのか…。


行くキッカケが1つでも欲しかった。


そう、仮説でも何でもよかった。


1人で行く事はできた。




しかし、あきよしもこの不思議な現象が続けば精神的におかしくなってしまいそうだった。

たとえ少女だろうが誰かがいるだけで心強い。


ある意味強引な誘い方ではあったが、ゆいも行く事になった。


勇気を出し一歩鏡の中に踏み入れる。


まるで水の壁を通り抜ける感覚だった。


顔が鏡を通り抜け、あきよしのマブタが開いた先には遊園地があった。


ジェットコースター、観覧車、メリーゴーランド、数々のアトラクション機具が動いていた。


どこの遊園地なのか分からない。


ここは初めて来る場所だった。


「うわ~!遊園地!」


後から入ってきたゆいはなぜ遊園地にたどり着いたかなど考えず、

遊園地があるという事が何より嬉しかったのかハシャイでいる。



しかし、あきよしは別だった。





人がいない…



ジェットコースター、メリーゴーランド、他の遊具に誰も乗っていない。


そう、誰1人も…。


しかも勝手に動いている。


ゆいも最初はハシャイでいたがあきよしと同様、違和感に気付き、

あきよしの服を少しつかみ周りを警戒した。



(遊具が動いている?なら誰か1人はこの機械を動かしている者がいてもおかしくない。)


先ほどの血文字を書いた人か?


もしくは他の『誰か』なのか?


あきよしが頭の中のファイルを整理している途中にメリーゴーランドの辺りに気配を感じた。




(誰かがいる!)


一瞬にして凍りついた空気へと一変した。


ゆいも気付いたらしい。


あきよしの背中に隠れ、メリーゴーランドの方を覗いた。






誰かには会いたかった。


情報?


ここは何処なのか?


山ほど聞きたい。





しかし、今は違う。





あの血文字を見てしまった後では…、


鼻の奥に刺激が走る。この感覚は昔、車に引かれそうになった時に味わった感覚。


自分の意識ではなく、体全身が警戒しているかの様だった。


あきよしは気配だけで恐怖したのは初めてだった。


ゆいも全身の震えがつかんだら服から伝わってきた…。


ハァ




ハァ





ハァ







ハァ!



心拍数が上がる



「誰だ!!」


応答はなく遊具の音だけが響きわたる。


(気…のせいなのか?)


しかし、服の振動で、まだゆいが震えている事が分かった。


確かめないと…、


ゆいがずっと怯えたままだ。


あきよしは意を決してメリーゴーランドの方へと歩み出そうとした瞬間、

背後から足音が聞こえた。





メリーゴーランドの方ばっか気を取られていた。


服の振動が一段と早くなる。


それにつられ、あきよしの心拍数もまた格段とはね上がる。


ゆいを守るようにかばいながら後ろを振り向いた。




そこにはスーツ姿の男性が立っていた。


(人間…)


もうその次元の考えしかできなかった。




読んでくれてた人山九!

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