第一話 目覚め
残酷な描写まではいかないですが、血などそれっぽい話は出てきますので、それが大丈夫な方でしたら読んでいただければ幸いです。
それと、想像は好きですが、頭はあまり良くないので文章とか変だったりすることもあります。
僕はその日、全てを受け入れた。
目を覚ますとそこにはいつも寝ているベッドではなく、
森林などがまったくない草原にいた。
「どこ・・・だ?」
中山あきよしは広告代理店に勤め、前日には山ほどの資料と格闘して、
ベッドに倒れたのは午前3時の事だった
戸惑いながらもここが何処なのか、
なぜここにいるのかを考えていた。
ダメだ…、思い出せない。
まったく分からない恐怖と混乱が渦巻く中、なぜか中山は冷静であった。
「懐かしい…?」
そうここには一度来たことがあるような気がする。
いや、来たことがある!
どうしてこんな所にいるのかはまだ分からないにしろ、
ここが何処なのかが徐々に思い出し始めている。
「誰?」
後ろから声が聞こえて中山は振り向き身を構えた。
小学生低学年ぐらいの少女が目の前にいる。
最初は戸惑ってしまったが、何か知っているかもしれない
という考えが働き返答した。
「僕は中山あきよしっていうんだ、キミは?」
「わたし、名前が思い出せないの…」
少女は目をそらし、うつむいてそう答えた。
(この子、記憶がないのか?)
「じゃあどうしてここにいるの?ここに住んでるのかな?」
「私にも分からないの、なぜここにいるのか、目が覚めたらこの野原にいたの・・・」
少女は今にも泣き出しそうな顔で答えた
(この子も自分と同じなのか・・・)
あきよしは何かヒントが手に入ると思い。別の事を聞いた。
「他に誰かいなかった?」
すると、少女は先ほどまでとは違い中山の目を見て答えた。
「一人いたわ。中山さんと同じぐらいの歳の男の人!」
「その男性は今どこに?」
「名前が知りたくて聞こうとしたら、何かずいぶん焦って東の方に
走って行ってしまったわ、『ここはもうヤバい』って何度もつぶやきながら」
「ここはもうヤバい?ってどういう事だ?」
「わたしも分からないの。名前は『とがり』って言ってたわ」
とがり?
とがりなんて名前はいくらでもいる。
しかし、何か引っかかる。
ダメだこのままでは前に進まない誰かこの場所が分かる人を探さなくては…、
「俺はここがどこなのか調べるために少し探索してくるよ。
その『とがり』って奴が、ここはヤバイって言ってる以上危険かもしれないしね。」
「キミは?」
少女は考えることなく
「わたしも行きたい!一緒に行けば何か分かるかもしれないし、
中山さん怖い人じゃなさそうだからね。」
少し考えたが「わかったそれじゃあ行こう!けど名前がないと流石に困るな…、」
あきよしは少し考え、
「『ゆい』って名前はどうかな?名前が分かるまで『ゆい』って呼んじゃあダメかな?」
『ゆい』という名前に決めたのにはそこまで理由はなかった。
自然とその名前が思い浮かんでいた。
「『ゆい』?いい名前!」
少女はプレゼントを貰ったかのように喜び、はしゃいだ。
(よっぽど気に入ってくれたんだな)
あきよしは少女の振る舞いを見て安堵の笑みを浮かべた。
そして二人はここが何処なのか探す旅に出た。
見てくれた人、三級!!