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スライムブリーダー?実は最強の職業でした  作者: 谷里 零


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半年後

()()()ごめん!そっち行った!」


「大丈夫!【スラッシュ・乱】!!」


 目の前のアイアンゴーレムが細切れになる。


「ふぅ〜、お疲れ。ごめんねぇ」


「リタもお疲れ」


 この森へ飛ばされてから半年が経った。

 今は屋敷を中心に囲っている塀の外で日課の修行に来ている所だ。


「リタ、ここ血が出てるよ」


「本当だ。警戒お願い」


「うん。【()()()】。近くには居ない。大丈夫だよ」


 そう伝えるとリタは目を閉じ、そして数秒後に目を開ける。腕を伝っていた血は止まり傷は消えていた。


「だいぶ早くなったね」


「まだまだだよ。戦闘中は勿論、一人では絶対に使えない。先生は『理想は瞬きよりも早く』って言っていたから、先は遠いね」


 リタが使ったのはクルシュから言われていた【瞬間睡眠】と【強制覚醒】だ。スリープマスターであるリタは寝る事で怪我を治す事が出来る。しかもそれはゆっくりではなく瞬時に治る。そこで【強制覚醒】の出番。これは自力で起きる事が出来るスキルみたいなんだけどコツがいるらしく、それを掴むまで訓練を始めた頃は丸一日寝て終わったなんて事が何日も続いた。


「寝るのに起きるって何!?寝ながらスキルなんて使えないよっ!」って言っていたけど最近は段々と起きるまでの時間が短くなって来た。


「そろそろいい時間だから戻ろうか」


「そうだね」


 魔物から素材を切り出し屋敷へと戻る。


 塀、というか防壁を抜けると広がるのは果樹園だ。


「おっ、坊ちゃん嬢ちゃんお帰りで?良かったらこれ食べながら行って下せえ。採りたてですぜ」


 声を掛けて来たのはここを含め農園全てを任せられているマージさん。屋敷の前で身体から植物を生やしていたスライムがこの人だ。


「うん。ありがとう」


 果樹園を抜けると農場になっており牛や猪、鳥の魔物を飼育している。


「エルム様、リタちゃん。今日は終わり?」


 ここの農場を任せられている、サルサさん。シルクスパイダーに糸を吐かせていたのはこの人だ。


 その後も会う人会う人に声を掛けてられながらようやく街に着いた。


 僕の住んでいた村の何十倍、リタが言うには街と同じ位の規模があるらしい。

 街の中心部、ひらけた場所に屋敷はある。


「お帰りなさい、エルム様、リタさん!」


 蒸らしたタオルを持って駆け寄って来たのはメイドのサーシャ。


「ありがとう」


「サーシャちゃんありがとう!」


「そろそろお食事の用意が出来ますので食堂でお待ち下さい」


 顔や手を拭ったタオルを渡して食堂へと移動する。


 屋敷は半年前の面影は既に無い。と言うかそもそも場所も違う。街並みも日々変化し、一度本気で迷子になった事がある。


「おっ、揃ってる様だね!沢山作ったから遠慮しないでお食べよ!」


 大量の料理の乗ったお盆を片手で軽々と持って運んで来たこの少しふくよかな女性はマルメさん。屋敷の料理を一手に引き受けている総料理長だ。ガルドさんが「名前のまんまだな!」なんて言っていたけど僕は決して余計な事は口にしない。だって、あの後ガルドさんは……


 頭を振って追い出し食事にする。


「うん!おいしい!」


 今日のお昼の献立はローストビーフサンドとオニオンスープ。それと色んな種類が食べられる様にとサラダや肉料理が数種類いつも用意されている。


「ん〜、このお肉ホロホロぉ〜」


 リタまでとろけそうだ。僕も一口。うわぁ〜、この間食べた角煮ってやつより柔らかい!舌と上顎だけでほぐれた!


「口にあった様だね!それは今日のおすすめだよ。ロイドさんとガルドに作らせた調理道具で作ったんだ」


 ガルドさんは今日もいいように使われているみたいだ。


 その後デザートのプリンを食べて食堂を後にする。


 次にやって来たのはリビングスペースだ。


「マギー、お願い」


『プロジェクター起動』


 フォン、と音を立てて空中に映像が投影される。


「えっと、バブルフロッグが三、ロックアントが十二、それからスリーピングバットがニのブッシュトレントが一、あと〜レッドベアが一とキラービーが一、アイアンゴーレムは〜、あっ!今の無し!」


「次は僕ね。さっき言ったアイアンゴーレムが一のアッシュバードが五、マッドモンキーが八とサイレントスネークがニ。後は……スナイプスパイダーがニだね」


 食後はここに来て反省会。今日倒した魔物を更に効率良く倒す為にはどうするべきか、僕が魔物を相手にしている時はリタが、リタが魔物を相手にしている時は僕が観察し、ここで意見を言って改善につなげる。


「わたしも索敵系のスキル使えればなぁ〜」


「リタはもう少しで覚えると思うよ?スリーピングバットの死角からの攻撃、見切ってたじゃない」


「ん〜、あれは多分わたしの天職のお陰だと思う。ほら、スリーピングバットって睡眠攻撃使うでしょ?で、その他でわたしの戦いはどうだった?」


「アイアンゴーレム以外はそのまま突き詰めていけばいいんじゃないかな?アイアンゴーレムだけどやっぱり面での攻撃が出来ないと厳しいと思うよ」


「そろそろ違う武器使ってみようかなぁ」


 そう言って腰にあるショートソードを撫でる。


「僕はどうだった?」


「エルムは基本【マップ】確認しながらだからかな?実際に目の前に現れた時、初動が遅れがちの様な気がする。奇襲とかは得意なんだけどね」


「やっぱりかぁ〜。この間ジルさんにも言われたんだけどね」


 そんなやり取りをしているとバックの中から振動と共に軽快な音楽が。


「もしもし、どうしたの?」


『主人殿!遂に成功したぞ!!』














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