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スライムブリーダー?実は最強の職業でした  作者: 谷里 零


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プレゼント

 いや!いる!!


 だが、目の前で消えた事を認識し察知系のスキルを総動員してやっと朧げにわかる程度。


「よっと」


 そして、何事もなかったかの様に現れた。メリーゼと人もどきも驚きで目を丸くする。


「で、クロエ。これ、わかる?」


 覚えている。毎日目にしていたからな。


「これは教会にあった女神像が付けていたブローチだな?」


 手に持っているのは装飾の施されたブローチ。教会では毎日三回祈りの時間を設けていたから嫌でも目に入った。だが私が覚えているのは形だけ。像に付いていたのだから当然石で出来ていたと思っていたのだが……


「あの日、君はいつもの様にあの場所へ行っていたのかな?夕方近くになっても戻ってこなかったから、みんなで探しに行ったんだ。結局見つからなくてどうしようかシスターに相談しようとしたら……奴らが急に現れた。僕達は教会に隠れたんだけどね、村を襲っていたのとは別の奴らが何体か来て教会を壊しまわった。その時、女神像が倒れて、これが出て来たんだ」


「それは何なのだ?」


「クロエは、僕の天職知ってるよね?」


「……ああ、【道具使い】だ」


「そう。だからこそ、これを使()()()()()()()んだ」


 何処か苦痛めいた表情で呟く。


「今度はもっとわかりやすく使うよ」



 スゥゥ



 瞬間、目の前に見えるのは何処までも広がる真っ白な空間。今居るのはあの場にいた四人。


「ど、何処だここは!」


「すごい所ねん……」


 メリーゼと人もどきが驚愕する中、私は次々とスキルを行使して行く。結果として得られたのはここが何処かは『分からない』と言うことだけ。気配は無し。【天眼】で見える景色は変わらず白一色。


「……ふう」


 闘技場へと戻ってきた。


「簡単に言うとね、あの日、僕達はここに避難したんだ」


 僕……()


「さっき体験してもらってわかったと思うんだけど、あそこから外を確認する事は出来ない。もし君があの日、あの場所に来たとしても君は僕達を見つけられなかったし僕も君に気付くことが出来なかった。だから……ごめんね」


 ごめんね。そう言った()()()の顔は、今にも泣きそうで…


「それと……」


 取り出したのは少し大きな、つぎはぎだらけの布に包まれた何か。それを私に手渡してきた。


「ほら、クロエ憶えてる?天職の儀の日の事。あんなに喜ぶ君を誰も見た事なくてさ、それならもっと驚かせてやろうってラルドが」



 ハラリ、布が解ける。



「僕は【道具使い】だけど作るのは苦手でさ」


 少し歪な長方形。


「その刺繍はミカが祈りを込めながら」


 小さな霞草が縁取られ。


「振ってみて?」


 カサリ、音と共に香りだ立つ。


「ミトが採って来たんだ」


 私の好きなミオネスの香り。


「チャコとドリーも手伝ってくれた」


 チビ達っ!


「裏を見てごらん」


『おめでとう』


「それはシスターから」


 っ!!


「でも、ミトに採取任せたのは失敗だったよ〜。違うものばかり採って来てチャコとドリーに叱られてさぁ。本当は直ぐに出来上がって渡せるはずだったんだけど、ミトが採って来た物にマニガ草が混ざっちゃってさ、匂いうつっちゃってみんなやり直し。ラルドが一番怒ってだんだけど『お前何もやってねぇーじゃねぇーかっ!!』ってミトに言われて喧嘩始まっちゃって」


 ああ、思い出す。些細な事でいつも喧嘩していたミトとラルド。困った様に見ていたロイドとミカ。それを私はいつも木の根を枕に寝ながら眺めていた。チビ達は喧嘩の度にシスターを呼びに行って、それで二人は怒られて……


「だから……すごく遅くなっちゃったけど、おめでとう。みんなの為にも、たまにで良いから使って欲しいな」


 私はその()を抱きしめる。


「ありがとう。大切に使わせてもらう、ありがとう、ロイド」


 滲んだ視界から見えるロイドの顔は何処か満足そうだった。


 暫く沈黙の時間が過ぎた。それを破ったのは人もどきだった。


「あら〜、クルシュちゃん、そんなに泣いてちゃ、せっかくの綺麗なお顔が台無しよ。それに貴方、罪な男ねぇ」


「えっ、あっ、僕!?ご、ごめんクロエ!泣かせるつもりは無かったんだ!!」


「私は泣いてなどいない!!目から体液が溢れただけだ!!」


「はぁ〜、お師様。今の姿じゃ冗談にもならねぇよ。まぁあたしはお師様が泣くところ見れたんで満足だがな」


「メリーゼ!!」


 恐らくこの二人は気を遣って気を紛らそうとしてくれたのだろう。ロイドだけは真に受けているがな。


「それで、ロイドさん。あんた一体なんでこんな所に?あそこから離れたがらなかったじゃねぇか」


「ああ、エルムがいたしね。って、そうだ!!エルムが暫く戻ってこないってどう言う事ですか!!?」


 思い出したかの様にメリーゼに詰め寄るロイド。だが、私には気になる事が。


「ロイド、主人殿とはどう言う関係だ?」


「主人殿??」


「エルム坊やの事よ」


「エルムの事??エルムはね、僕の……孫だよ」


「「「孫!!?」」」





















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