初めて従魔契約!
僕は見上げたまま固まってしまった。まさかこのスライムがファングボアを倒したのか?
混乱中の僕をよそに、まるで何事もなかったようにそのスライムは、僕の目の前に飛び降りてきた。
改めてそのスライムを観察すると、どうも普通のスライムと違うように見える。僕が今まで見たことのあるスライムより体は一回り大きく、色も濃い。普通のスライムなら身体が透けて見えるのに。
それと一番目についたのが、もしこちらを向いていればだけど、向かって右側にやや斜めに伸びる大きな傷と、その傷とクロスするようにある小さな傷。十字架のような傷がある。
こんな傷が出来た時点で普通のスライムなら破裂して死んでしまうはずじゃないか?。
なんなんだろう?このスライムは
そんな事を考えていると、それまでぴくりとも動かなかったスライムはコロコロと僕の方へと転がって来たと思ったら、
【スライムが仲間になりたそうにこちらを見ています
仲間にしますか?】
【Y/N】
と、どこからともなく声が聞こえたと思ったら、目の前に文字が現れた。これが従魔契約のスキルかな?
僕はもちろんYESを押した。元々スライムをテイムするつもりだった。さっきは大量に現れすぎてビックリしただけだ。
押した瞬間、目の前のスライムと何かが繋がった感覚が。これで契約完了かな?もしファングボアを倒したのがこのスライムだったとしたら、僕が薬草採取している時に護衛してもらえるよね?
【スライムの従魔契約を確認しました】
【スライム念話を解放しました】
【スライム成長速度 極大を解放しました】
契約が完了したと思ったら、立て続けに声が聞こえて来た。ギルドカードの機能を思い出し早速ギルドカードでスキルを確認してみる。
スキル スライム鑑定
スライム従魔契約
スライム念話
スライム成長速度 極大
◼️◼️◼️◼️
おお!!二つも解放された!えっと、一つ目はスライム念話?文字通り受け取ると、スライムと念話が出来るってことかな?二つ目はスライム成長速度 極大。これも多分スライムを物凄く早く成長させることが出来るスキルなんだろう。
契約してからみょんみょんと縦に伸びているスライムに向けてスライム念話を使用してみた。使い方はスライムブリーダーのお陰か、何となくわかる。
「スライムさん、スライムさん、聞こえますか?」
スキルを使用しながら話しかけてみた。
『!!?聞こえる!聞こえるぞ主人殿!』
やった!成功だ!
「こんにちはスライムさん、僕はエルムって言います。このファングボアを倒したのはあなたなの?」
『ああ、最近この獣の様な輩がこの辺りを荒らしていてな、丁度攻撃を仕掛けようとしたところ、いきなり主人殿が走って現れたのだ。急な事で呆けてしまったが間に合った様で何よりだ』
「助けてくれて、ありがとうございます」
いきなり後ろにファングボアが現れたと思ったけど走った先にいただけなんだ。
『むっ、礼を催促する様な言い方になってしまったか?すまない。久方ぶりに会話をするのでな。私が勝手に助けたのだ。何も気にすることは無い。この程度の輩、造作もないのでな。それに礼を言うならこちらの方だ。主人殿のお陰で随分と思考がハッキリする様になった』
見た目がスライムなのに、喋り方に威厳って言うか風格がある。結構レアなスライムなのかな?
『それで主人殿……』
「ん?どうかしたのスライムさん」
『その……一つお願いがあってな、私に名をくれまいか?その「スライム」と言うのは種族名であろう?』
そうだよね。僕も人間さん、人間さんって言われたらちょっと気分が悪くなるかも。
「ごめんね、気付かなくって。因みに僕が決めてもいいの?」
『名付けとは従魔師と従魔の絆をより強固にするもの。主人殿は恐らく高名な従魔師なのであろう?以前従魔師と仕事をした事があったが、この様に意思疎通出来ている様には思えなかった。主人殿から名を頂戴出来るのであれば、どんな魔物でも、より強力に、そして主人殿の支えになれるであろう』
従魔師ってテイマーの古い呼び方だったよね?長生きなのかな?
「何か、こんな名前がいい!って言うのある?」
『主人殿に、付けてもらえるなら、例え「糞」でもなんでも……』
エミリーさん、僕の相棒、糞です!
行くよ糞!
それじゃ糞、僕は薬草とって来るね!
糞!危ない!
「駄目ーーー!僕がちゃんと考えます!」
糞とかあり得ないよね?でも、名付けかぁ。村でもペットとか飼ったことないから名前なんて初めて付けるよ。
「ごめんね、まだスライムさんって呼ばせてもらうけど、スライムさんに性別はあるの?」
『私は女だ。だがあまり可愛らしい名前でなくてもいいぞ。女性らしく生きては来なかったからな』
これも従魔契約した影響なのか、スライムさんから、とても暗い気持ちが伝わって来た。もしかしたら本当に可愛らしい名前は望んでないのかも知れないけど、少しは女性らしい名前をつけてあげたいな。
スライムさんをよぉーく見る。
薄い青では無く、とても濃い青。ブルー……全然女性らしくないよね。
丸みを帯びたボディ。丸、マル、マール。女性っぽいけど、なんかなぁ……
目立つ傷痕。十字の傷、クロス、ちょっといじってクロシュ……!そうだ!
「クルシュ!君の名前はクルシュに決めた!」
瞬間クルシュの体から暴力的な光が溢れた。
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