ビックスライム!
さっきの一本で骨組みは完了したみたいで、ビルドスライムとその他諸々がやって来た。大きいスライムも一緒にね。
他のスライム達は繋がりを感じるけどこの大きいスライムからは感じない。
大きいスライムは僕達の前までやって来ると、
ポンッ
うわっ!ばらばらになったぞ!!どうやら普通のスライムが合体してたみたいなんだけど数が凄い……
と、そこへビルドスライムがやって来て身振り手振りで何かを伝えて来た。
えーっと、役に立てたら契約してくれるかも知れないから手伝った?
身振り手振りじゃ伝わらなかったけど、なんとなくそう言った気がした。
契約するのは構わないけど拠点作りを終わらせたい。
「先に完成させたいんだけどその後でもいい?それから屋根とか材料上げるのにさっきの大きさになってもらいたいんだけど」
スライム達は一瞬ブルッと震えると、グモッ、グモッ、グモッ、グモッ、って積み上がって元の大きいスライムになった。後で契約でもいいって事かな?
ビルドスライムとスミススライムは何かやっているようだけど、ビルドスライムの弟子達かな?金槌と釘を体の中にしまって器用に柱を登り屋根で待機している。あんな事も出来るんだ。
待機している弟子達に大きいスライムが屋根になる材料を一枚ずつ渡していき、あっという間に屋根が完成!
平行して床と壁も張り終わってものの数分で建物が完成してしまった。残すはドアのみとなったんだけど大きいスライムが一枚板を担いできた。
いつの間に作ったのか蝶番を取り付けて拠点の出来上がり!だけどそのドアが凄かった。草木のレリーフが彫ってあったのだ。
僕は一枚板を担いできた先を見た。いた!ビルドスライムだ!ビルドスライムの周りには金槌とノミだけでは無く彫刻刀らしき物まであった。
あのスライム、……職人だ!
「わぁ〜、あっという間に建っちゃったねぇ。でも同時にわたしの中の常識が音を立てた崩れたよ」
うん。それはわかる。もし僕が家づくりの手伝いをした事が無ければ凄いで済ませていたかも知れないけど、これは異常だ。
「とりあえず中に入ってみない?」
リタに促されて中へと入る。
うん。木の香りが充満してる。故郷を思い出す優しい香りだ。
「わぁ〜、広いね!しかも明るいし!」
「うん、あかり取りの窓をつけたからね。でも硝子がないから木窓だけど」
「充分だよ!わたし野宿、覚悟したもん!」
喜んでくれたようだ。スライム達も満足そう。
「よし!それじゃ部屋を作っていこうか」
「部屋を?」
大黒柱を中心に何も無い大広間。元々部屋は後から作ろうと予定していた。
ゆくゆくはトイレやお風呂も作りたいので間取りだけ決めた。
こちらもビルドスライムが中心になってすぐに取り掛かってくれた。
入り口から入ってすぐの手前半分はキッチン兼リビングダイニングにして、残りのスペースを僕達の部屋とトイレやお風呂になった。一応収納用に僕達の部屋と同じ大きさの部屋も作った。
部屋にはビルドスライム渾身の彫刻入りベッドや机などが既に配置済みだ。
「これでマットがあれば完璧なんだけどな」
思わずポツリ。
「エルム君って最初ぼーっとしてる人かと思ったけど結構しっかりっていうか逞しいんだね」
「そうかな?」
「私だったら、ここまで出来たら満足しちゃうよ?今も満足だし」
「でも、マットや布団あったほうがいいでしょ?」
「それはそうだけど、上を見ればキリが無いよ?」
「他のことでもいいから言ってみてよ」
「それじゃ最低でも必要だと思える物を書き出しておくから、エルム君は契約してあげたら?あの子凄い事になってるよ」
外で待機中の大きいスライム。捻れて縮んだと思ったら飛び上がったりと落ち着かない様子。怒ってるとかじゃ無くて楽しみで待ちきれないみたいだ。
「なんでもいいから書いておいてね。僕は行って来るよ」
スライム達の待つ玄関前へとやって来た。ちなみに建物の中に入っているのはビルドスライムとスミススライムだけ。弟子達も外で待機している。
外に出ると早速大きいスライムがやってきた。さて、従魔契約をしようか。
取り敢えずばらばらになって1匹ずつ契約するのはめんどくさいから、まとめて出来ないか試してみよう。
【スライムが仲間になりたそうにこちらを見ています】
【仲間にしますか?】
【Y/N】
問題ないみたい。なのでポチッ。うん繋がった。
「材料運んでくれてありがとう、助かったよ!力仕事とかあればお願いするからこれからもよろしくね!」
ふと思い出し【スライム鑑定】をかけてみる。そういえば僕、進化させたスライムしか視ていないんだ。
種族:ビックスライム
このまま契約しちゃったからかな?見たまんまの種族名だ。スキルも種族固有スキルは他のスライムと変わらない。スライムはどんな種類でも種族固有スキルは固定なのかな?その他のスキルは一つも無い。集まって大きくなるのとか、スキルじゃないのかな?
無事契約も終わった事だし中へと戻る。
なんという事でしょう。
何も無かった空間に使い勝手の良いダイニングテーブルが現れたではありませんか。




