どちら様?
寝落ちしてさしまいました……
よく爺ちゃんの手伝いをしてたからね。木材の扱いは得意な方だと思う。
一応、釘を使わない木の組み方とかも教えてもらったから簡単な物なら出来るけど、加工する為の道具が無い。ノコギリと金槌、さらにノミがあればなおよしなんだけどな。
なんて考えているとビルドスライムが材木に触手を伸ばした。
ペシペシと叩いたと思ったら僕がやろうと思った加工をしてくれた。なんで僕の考えていた事がわかったのかわからないけど、これならすぐに拠点を組み立てられる!!
……って思ったんだけどね。ビルドスライムがスキルで作ってくれた材木の長さとか太さが全部微妙に違うんだ。加工したところも……
せめて土台はきっちりしたい。
「ビルドスライムに何回か材木にして貰えば?数打ちゃ当たるってやつだよ」
リタの助言をもらって試す事数回。切り株を残してぽっかりと広場が出来てしまった。その代わり材木はゲット出来たけどね!それに段々と長さや太さの誤差が少なくなってきた。
よし!早速土台作りから!って思ったら後ろから、ちょんちょんとつつかれた。
振り向いた僕は驚く。
金槌とノミだ!
スミススライムが触手を使って見せてきたのだ。使いやすいように柄には木を使っていてノミも大きさの違う物が数種類。
だけどスミススライムの後ろを見てさらに驚く。
金槌やノミだと思われる残骸の山。きっと色々試行錯誤して作ってくれたんだ!
このスライム、……職人だ!
でもこれで確信した。きっとスライム達は僕の考えてる事がわかるんだ。試しに釘が欲しいと念じてみた。
もこもこもこもこ
残骸の金槌を覆い被さって取り込んだと思ったら、
プッ!
吐き出されたのはまさしく釘だ。大きさも丁度いい。
「これと同じ大きさのを沢山作って欲しいんだけど出来る?」
スミススライムは触手で力瘤を作る。
釘があれば家具とかも作れる!多分長く住む事になると思うから出来れば質の良い物を揃えたい。床とか壁張りにも使える!
釘作りはスミススライムに任せて拠点予定地に向かう。
ここは元々開けていた場所で地面もほぼ平らだ。元々近くに川があったのか、苔むした丸い石が転がっていたので束石がわりに使用する。
最初は雨がしのげればいいやと思っていたけど手段が増えれば出来ることも増える。
拠点予定地ではスライム達がせっせと材木を運んでいた。契約したスライム達に運んでもらえないかお願いしたところ、やってもらえたのだ。
束石を置いて、さぁ土台作り開始!!ってところでビルドスライムが金槌とノミを触手でつついてきた。
使ってみたいのかな?失敗しても材木は結構な数が揃っているのでとりあえずやらせてみる事に。
コッコッコッコッコッ
触手で器用に使い組み木の凸部分をあっという間に仕上げた。続いて凹の部分。こっちもあっという間に仕上げたので合わせてみる。
クックッ、コン
少しの抵抗の後、スコンと入った。これ位なら問題ない。なので残りもビルドスライムにやらせてみる。
コンコンと森に心地良いリズムで音が響く。ビルドスライムが加工しているのを他のスライムが見ていたり開けた穴にはまったりしている。
この時間に出来る事があればやりたいけど道具がない。
「エルム君、金槌なんか持ってたの?」
「違うよ。さっきスミススライムに……」
ちょんちょん
ん?噂をすればスミススライムだ。スミススライムにも何匹かついて回ってるみたいで、なんだか親方と弟子みたい。
釘を作り終わったのかなと思って見てみるとそこにあったのは、なんとノコギリ!!
それと金槌とノミが数セット用意してあった。
「うわぁー、凄い!流石にノコギリは諦めてたよ!」
「え?もしかしてさっきの金槌とかもこのスライムが作ったの?」
リタのその言葉にビルドスライムは、
プッ
ノミを吐き出した。あれ?釘を出すより早くない?
リタと僕で驚いていると、ビルドスライムとその弟子?がやって来た。どうやら弟子達に金槌とノミを使わせたいらしい。
僕が許可を出すと喜んで戻って行き、まずは端材で練習するみたいだ。
よしっ!僕もノコギリ手に入ったし切るぞ!!
ビルドスライム達がコンコンと練習している間に床や壁になる材木を切っていく。薄い材木も作ってもらったからね。厚みもほぼ均一だし長さを整えるだけだから楽だ。
切りながら思ったんだけど、【木材加工】のスキルを使った物は程よく水分が抜けている。適度に乾燥しているのだ。これならこの材木使って建てても歪む心配はない。
量はかなりあったけど、なんとか終わった。後は張りながら調整するだけ。そう思ってビルドスライム達の方を見ると、なんと土台だけでは無く骨組みまでもがほぼ完成していた!
だけど驚いたのはそこじゃない。今まさに天井に触手を使って柱を持ち上げてる1匹の巨大なスライム。
えーっと、どちら様?
メリークリスマス( ^ω^ )




