スキルの効果
「まずは地図の作成だね!」
「残念だが違う」
「えっ!違うの!?」
「そうだな、では主人殿、試してみるがいい」
そう言われて【地図作成】を使う。
「あれ?」
「どうだ?」
「この階段部分しか出ない。なんで?」
「うむ、階層と階層を繋ぐこの階段部分はそこだけで隔離された空間なのだ。完全に階段より外に出ない限り【地図作成】を使用しても、ここの階段部分のみ表示されると言うわけだ。それで、他にはあるか?」
ん〜、多分前の階層でやった事だと思うんだけど。
「なんかの付与?」
「正解だ。何を付与するかは分かるか?」
「多分、寒さ対策とか?」
「まあ、良しとしよう。では私がメリーゼと小娘に付与をするので主人殿は自分で同じものをかけてくれ。【付与】に【耐寒】【耐風】【保温】だ」
「えっと、【付与】に【耐寒】【耐風】【保温】これでいいかかな?」
「出来たかどうか効果を実感すると良い」
そう言って階段を出た。
ヒュオーーーーーっと本来なら飛ばされそうな勢いの猛吹雪の中に出たんだけど【付与】された効果のお陰か風もそこまで感じず寒さも思ったほどではない。
「どうだ、主人殿」
「うん、特に問題ないよ」
「それなら良い。似た様なスキルに【寒さ無効】や【風圧無効】などもあるがそれらは効果が切れやすいのであまり使わない方が良い。切れた時のぶり返しもきついしな。それと他にも使わない方が良い理由もあるが、わかるか?」
「寒く無かったり風を感じない方がいいんじゃないの?」
僕は素直にそう聞いた。
「そう思うのももっともだな。だか、視覚や触覚から得られる情報とは自身で思っているよりも重要でな、この猛吹雪の中、暖かそうだと思うものはいまい?風もそうだ。今は時折体がぐらつく程度だと思うが本来なら飛ばされてもおかしくは無い。寒い場所なら寒い。暑い場所なら暑いときちんと認識出来なければいずれ体と心に齟齬が生まれよう。そうなってしまった場合、例え平時ならば容易く処理出来る事も出来なくなる事がある。【付与】とは一時的に体を誤魔化しているに過ぎないのだからな」
「わかった。覚えておくね」
「ふむ、ここはあまり長話をするには向かぬな。メリーゼと小娘が雪に埋もれておる。よし、【危険予知】【地図作成】に【透視】【鷹の目】【索敵】【生命感知】【気配察知】【状況把握】【高速思考】」
「あれ?【反響】は?」
「こう吹雪いてはな、スキルも通りにくいのだ」
「通りにくい?クルシュ、もしよかったらスキルの効果を教えてくれないかな?」
「お師様!もう行こうぜ!歩きながらでもいいだろう!」
メリーゼさんもリタも雪だるまになっている。
「そうだな。よし道を作るか。【掘削】【硬化】」
ボコボコボコッ!!
目の前の雪の斜面に階段が出来たぞ!
「次の階層への階段はこの山の向こう側の麓にある。歩きながら教えるとしよう」
ぽんぽん
メリーゼさんに肩を叩かれた。
はい。分かってます。クルシュだから出来たんですね。
隣ではリタが目を丸くして驚いていた。
山の中貫通する様に出来た階段を降りると、早速スキルの効果について教えてくれた。
「私が迷宮に入る際真っ先に使うのが【危険予知】と【高速思考】だ。【危険予知】は文字通り危険を予知するスキルで【高速思考】もそのままで速く考える事が出来る。迷宮によっては足を踏み入れた瞬間に罠が発動するものがあるのでな、それらにすぐ対応出来るようこの二つを優先して使っている」
「【危険予知】のかわりに【気配察知】じゃダメなの?」
「ああ、罠自体には気配はないからな。では主人殿、私の言う順番にスキルを使ってみてくれ」
「わかった」
「まずは【鷹の目】と【透視】を合わせてくれ」
言われた通りに使うと視界が浮上する。【透視】のお陰だと思うけど本来吹雪で目の前も見えないくらいだったのが遠くまで見渡せる。
「遠くまではっきり見える!」
「ちなみに【透視】を使わなければ、外を見る事も出来からな」
そっか。今山の中にいるんだった。
「次に【地図作成】に合わせてくれ」
頭の中に地図が出来る。山を中心に真四角の地図だ。
「出来たよ!ここは真四角なの?」
「そうだ。他にも丸だったり長四角だったりあるが地図の輪郭がぼやけてなければ成功だ。では、次に【索敵】【生命感知】【気配察知】を合わせてくれ」
使ってみるとすぐに地図に変化が現れた。
「【生命感知】が青、【気配察知】が黄色に光る。四つ緑色に光っているのがあると思うがそれが私達だ」
「【生命感知】と【気配察知】はどう違うの?」
「【生命感知】は文字通り生き物を感知するスキルで【気配察知】も文字通りなのだが生き物以外、例えばレイスやスケルトン、所謂アンデッドと呼ばれる者達などを察知するのに便利だな」
「へぇ〜、色々使い分けなきゃいけないんだね」
「ああ、スキルは星の数ほどあると言われておる。まだまだ便利なスキルもあるが取り敢えず今は【地図作成】に使えるスキルをおぼえるといい。っとそろそろ出口だな」




