問題しかねぇ
本日一話目!
「う、う〜ん」
さあ、ダンジョンに入るぞって所で女の子が目を覚ました。
「あれ?ここどこ?えっ!だ、だれ?」
肩の上で暴れ始めたのでメリーゼさんは放り投げた。
「いたっ!」
「お前が誰だ。なんで森の中でお前一人で寝ていたんだ?」
見下ろすメリーゼさん。
「えっ、わたし一人?あっ、わたしリタって言います!冒険者です!」
そう言ってリタと名乗った女の子はギルドカードを見せて来た。
「パーティー【黒い梟】で荷物持ちやらせてもらってます!」
「ゼオンのとこの?」
「リーダーをご存知なんですか!?」
メリーゼさんのその言葉にリタさんは反応した。だけどその前に、
「えっと、リタさんでいいかな?僕はエルムって言います。それでこっちが僕の相棒の……」
「クルシュだ」
クルシュはいつのまにか人に戻っていた。
「それで、こちらが冒険者ギルドギルド長のメリーゼさんです」
「ギ、ギ、ギルド長〜!!へ、あ、あの、いつも大変わたしがお世話になってますぅ〜!わたしなんかを冒険者ギルドに入れてくれてありがとうございます!!」
あわあわ言いながら奉られてるメリーゼさん。
「話は歩きながらでも出来るであろう。急ぎだ。行くぞ」
そうして僕の初ダンジョン攻略は始まった。
ダンジョンの入り口を潜り薄明るい洞窟を少し歩くと景色が一変した。
「えっ?わたし、さっきまで森の中に居たのに。なんで?」
その言葉に心から同意した。
雲一つない青空。温かな日差し。
そしてなだらかな勾配のある草原が見渡す限りどこまでも続いている。
「うむ、思った通りだ。何処かの階層に草原エリアがあるとは思ったが、幸先が良いな。あまり弄らずとも済む」
「よっしゃ、お師様!さっさと済ませちまおうぜ!」
「主人殿、小娘、行くぞ!」
未だ感動と混乱からさめない僕達を他所に二人はすたすたと歩いていってしまう。
「リタさん、行きましょう!」
「えっ、う、うん。あっ、わたしのことはリタでいいよ。多分歳も近いと思うし」
「それじゃ、僕の事もエルムで。あっ!もうあんな先に!リタ、行こう」
「うん!」
先に進む二人に駆け足でなんとか追い付いた。
「では早速、主人殿に迷宮の攻略法を伝授するとしよう」
「うん。お願い」
「まず最下層を目指す」
「うん」
「迷宮の主を倒す」
「うん」
「以上だ」
「わかった」
「わかったじゃねぇーーー!!!」
おっと、メリーゼさんから待ったがかかったぞ。
「お師様!相変わらず大雑把すぎだ!お前もお前だ!すぐにわかったなんていうんじゃねぇ!!そもそもダンジョンの攻略ってのはな、ボス討伐するぞぉ〜、お〜、みたいなノリで来る様な所じゃねぇんだよ。それにお前らみたいな普段着で来る場所でもねぇんだぞ!」
メリーゼさんは僕とリタを指差してカンカンだ。
「何をカッカしておるのだ?生まれたての迷宮だ。多くて五層程度であろう?ならば何も問題あるまい」
「問題しかねぇ、問題しかねぇよお師様」
「お主、忘れてるやも知れぬが主人殿は私のスキルを使用出来るのだぞ。で、あれば道々適所な使い方を教えれば良いでは無いか」
「お師様は失敗から学ばさせるタイプだろ?その失敗が命を落とすかも知れないってのはちゃんと理解してるのか?鼻水流しながら泣いたばかりだろ?ったく!んで、お師様、ダンジョンに入って何個スキルを使ったんだ?」
「んぐぅ、ああ、【索敵】【反響】【鷹の目】【生命感知】【気配察知】【透視】【地図作成】【高速思考】【状況把握】【危険予知】だな」
「それを教えろっつってんの。何を使ったのか、何故それを使ったのか?どう言った効果か?どの様な場合に使うのか。そもそもの話、いくらお師様のスキルを使えるかと言っても、……同じ精度で使えるのか?」
「うむ、確かに主人殿で確認出来ているスキルは常時発動の【衝撃吸収】と【スライム鑑定】、最上位魔法の【オーバー・ディスペル】位だな。……そうだ、あれならば良かろう。少し待っておれ」
クルシュは少し離れると木の板の様なものを地面に突き刺した。
「さあ、主人殿!!これに向かって瞬穿を放ってくれ!!」
「ま〜た、お師様はなんてスキルを使ったんだ……んで、お前、出来んのか?」
「一応、どう言ったスキルかクルシュから聞いてます」
そう、確かあの時クルシュはー遠く離れた相手に必殺の一撃を叩き込む技ーって言っていた。
これも【異体同心】のお陰かな?
使い方は分かる。
的に対して体は横に。
腰を落として拳を溜める。
後は一気に的目掛け、空気を圧す様に打つだけだ!
「瞬穿!!」
直後、ターン、とかパーンって音が……しない?
でも的はコテっと倒れたんだ。
多分17時に更新出来ればいいなって思っています。
年末の恒例行事が徐々に襲いかかってくる……




