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全部吐き出しなさい……

本日一話目!

「す」


 す?


「すすす」


 すすす?


「スライムがしゃべったぁ〜〜〜!!?」


 ぼんっ


 うわっ!キャサリーンさんのリボンが全部弾けた!?凄い!人って驚くと髪がキマイラの立髪みたくなるんだね!


「どどどどどういう事よん!このスライムって聖獣なのん!?」


 聖獣?御伽噺の?

 ……クルシュって聖獣だったの!?


『少し落ち着け、人もどき。私は聖獣でも何でもない。ただのスライムだ』


「な、なんで?ただのスライムがしゃべるなんて……」


『これは念話だ。耳を塞いでみろ、聞こえるはずだ』


「ほ、本当ねん」


『これはスライム念話と言って主人殿のスキルだ。主人殿のスキルで私も主人殿のスキルを使用する事が出来るのだ。して、人もどきよ。幾つか聞きたい事がある』


「な、なにかしらん」


 キャサリーンさん、人もどきって自分の事だって分かってるのかな?普通に返事してるけど。


『ここは王都なのか?』


「そうよん、王都リーンデルよ」


『??王都はメルシアスではないのか?』


「メルシアス?確か大昔にあった国の王都の名前がそんな名前だった様な……」


『なんと……では今のこの国の名は?』


「エルメシア王国よん」


 本当に一瞬だった。瞬きの間より短い本当に一瞬。クルシュから激しい憎悪の感情が伝わって来た。


『……そうか。では次に冒険者ギルドとはどの様な仕事をする場所なのだ?』


「それはギルドの仕事かしら?それとも冒険者の仕事?」


『両方だ』


「簡単に言うと冒険者ギルドは依頼主からの依頼を区分、ランク分けして、その依頼を冒険者に割り振る仲介をするのが主な仕事ねん。その他には買取とかかしらん」


『冒険者の方は?』


「ギルドから発注された依頼をこなす、言わば実働部隊ね」


『ギルドの方は傭兵斡旋所で冒険者は傭兵みたいなものか』


「そういった見方で問題ないわん」


『して、その依頼の区分とは?』


「多い順に討伐、納品、採取、護衛かしら」


『危険は無いのか?』


「魔物が存在している以上、どの依頼も決して安全では無いわ。それに危険なのは魔物だけではないしねん」


『賊の類か』


「そうねん。ただ、そう言った諸々の危険度を加味して依頼を割り振るのがギルドの仕事なのん。身の丈に合わない依頼は絶対に受けさせないわん」


『信用するとしよう。まぁ私が一緒にいる限りどんな依頼を受けようと主人殿が危険な目に遭うなど、あり得ぬがな』


「あら、随分と腕に自信があるようねん」


『昔取ったなんとか、というやつだ。腕は無いがな』


「それで、他に聞きたい事わん?」


 あっ、クルシュ、わざとぼけたんだ。スルーされてちょっぴり恥ずかしい気持ちが伝わってきた。


『い、今のところ他にないな』


「そう、それじゃこちらからも良いかしらん?」


『何だ?』


「貴方はエルム坊やの従魔で間違い無いわねん?」


『そうだ』


「そして貴方はエルム坊やを守れる程に強いのねん?」


『流石に今、天魔や四龍とやり合うのにはちとキツイが、主人殿を逃す位は造作もない』


「そんな天災級の魔物を出されてもねん……中ランクの魔物とかはどお?」


『どの様な奴だ?』


「クルシュ、ファングボアとかだよ」


『ああ、こいつか』


 ドォーーーン!



 品名 ファングボア

 品質 最高品質

 数量 1



 あっ。カウンターに表示された。これも最高品質だって!逆くの字に折れたファングボアが運ばれ、そのまま壁の向こうへと消えて行く。


「あれ、持って来てたんだ」


『後で食料にしようと思ってな』


 そういえばクルシュって肉食なのかな?後で聞いてみよう。キャサリーンさん、目玉落ちますよ?


「ちょっと待ちなさいよ、あんた達!何よあれ!」


「ファングボアです」


「ちがーーーう!そうじゃ無いわよ!なんでそんな物持ち歩いているのよ!と言うかなんなの貴方!?さっきの薬草もそうだけど、なんなのよそれ!どれだけ入るのよ!」


『空間収納だ。どれだけ入るかは分からん。調べた事なんて無いからな。ちなみにさっきの獣はもう無いが草なら大量にあるぞ』


「……もう、とりあえず全部吐き出しなさい」


 クルシュはカウンターに繰り返し採取してきた物を出した。内容はこうだ。


 品名 毒消し草

 品質 最高品質

 数量 200


 品名 麻痺草

 品質 最高品質

 数量 200


 品名 毒草

 品質 最高品質

 数量 200


 品名 月光草

 品質 最高品質

 数量 200


 最後に出した物がスイーっと壁の奥へと消えるのを見送る。ちらっと見るとキャサリーンさんは両手で顔を覆っていた。


「もうっ!なんなのよん!?このデタラメな数は!」


『んっ?ああ』


 かさ、ばさばさばさ……ばさ。


 品名 薬草

 品質 最高品質

 数量 100


『これで全種類、数が揃ったな』


「そう意味じゃないんだけどねん……それで、さっきのファングボアは貴方が?」


「そう!一撃だったよ!」


『今ならもう少し綺麗に仕留められるがな』


「ほんと、なんなのよ……」



















土日は二話更新しようと思います!


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