表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エンタングルライン   作者: ダッチマン
2/2

第1部第1章『こよみ』

待ち合わせ場所を間違えたのか?

わたるはリュックの脇ポケットに突っ込んでいたスマホを、腕を後ろに廻して取り出すと、電話帳を開いて慌ただしく友人に電話を掛けた。


呼び出し音が3度鳴った所で通話が繋がる気配に航は勢い込んでまくしたてた。

「わりい、ちょっと遅れた。電車一本掴まえ損ねてさ。今何処?すぐ行くからさー」


だが返事を待つ航の耳に飛び込んできたのは生憎聞きなれた悪友のだみ声ではなかった。


「もしもし?どちらにお掛けでしょうか?」


鈴の鳴るような柔らかな声に航の思考が止まった。


(間違い電話しちまったか?)

血の気の引くような思いが一瞬掠めたが、航は思い直す。

登録済みの番号を押したのだ、間違える筈がない。


航は改めてスマホを耳に充てると問い返した。


「冗談はやめてくれる?雄太郎出してよ。って言うか君誰?」


親友のいたずらかと思った航は電話の向こうの少女に詰問したが、電話口の少女の返事は航の期待したようなものでは無かった。


「失礼ですが番号をお間違いではないでしょうか?こちら東条宅で御座いますが」


駅を出て秋葉原の通りを前にして、電話の少女のえらく慇懃な物言いに、航はこのままこの通話を続けていいものか迷った。


「もしもし……もしもし……」


手にかざしたスマホから少女の呼びかけが小さく聞こえていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ