02 救出者の苦労
板張りの床に天井、漆喰の打たれた壁にむき出しの柱、窓から差し込む太陽の光の暖かさと木の匂いが部屋・・・とむさいおっさん二人をツツミコンデイター
「最近、森の中でオーガが増えてるらしいんだ・・・そこで、だ。君にはオーガの討伐・・・いや、間引きをお願いしたい。」
「おいおい、ギルマスぅなんで討伐じゃないんだ?ふつうのハンターだったら討伐って言ったって根こそぎ狩るわけでもねぇのによ」
「おまえは普通のハンターじゃないからだよ!根こそぎ狩っちまうだろうが!!ゴブリンの件、忘れたたとは言わせねぇぞ?」
「そういえばそうだったなぁ〜でもオーガとゴブリンは全然違うぜ?」
「オーガの討伐数がギルド内最多って言われているクルスが言うことか?」
「おっと、そういやそうだったな」
ギルマスと呼ばれている男は少々めんどくさいハンターを抱え込んでいるようだ。
「んで・・・どの森に行けばいいんだ?」
「ん?わからねぇのか?」
「いくらオーガの討伐数が多くても毎日狩りに行ってるわけじゃねえんだからどの森で増えてるかわかるわけじゃねぇんだぞ!」
「大まかな予想はできるだろ?」
「そりゃ予測はできるけどもよぉ。確実じゃぁねえんだぞ・・・クダの森か?」
ギルマスはオーガの出没地区が書かれた書類を見て
「あたってんじゃねぇかこのやろぉ!!」
ギルマスとクルスはとても仲がいいらしい。
クルスはニカッと笑った後に出発の準備をするために部屋を出ようとするとギルマスが止めた
「ちょっと待てよ」
「どうした?」
「おれはオーガの情報を渡してないが、、、」
「俺みたいなハンターに情報を渡しても意味はないだろ」
「それもそうだな!力でゴリ押すお前に入らないものだったな。・・・気をつけろよ」
「ハンターがいろいろ気をつけろって言っても意味がないことを一番知ってるお前が言うか?」
その後、ギルマスとクルスは笑いギルマスは仕事に戻り、クルスは遠征の準備をした。
〜〜〜〜〜クダの森〜〜〜〜〜
「一年ぶりだな、クダの森は」
オーガが最近増えてると思ってたからそろそろ討伐しねぇとって思ってたが、、、まさか一足早くギルドの方に上がってくるとはな。
「早めに終わらせっか」
クルスは自分の士気を上げて森の中へと入っていく。たびたびオーガじゃないモンスターと鉢合わせになったりもしたが10分の3の確率でオーガと交戦状態になった。後ろから奇襲などもされたが難なくそれをあしらい、どんどん森の深淵へと足を運んでいく。倒したモンスターはバラバラに解体して証明部位以外はその場に置いていく。パーティーなど組んでいるわけでもないので持ち運ぶことができないので近くのモンスターなどに食べてもらうためだ。
帰り道は元来た道を通るわけではない。今回の目的はあくまでもオーガの討伐であり採取クエストなどではないのだ。行きと帰り、別々の道を通って一匹でも多くのオーガを狩る。
結構深くまで森に入り、出発した時よりも結構陽が傾いた時、近くで戦闘が起きているのだろうか?岩が砕けるような音とオーガの咆哮がクルスの耳に入った。
「オーガがこの先にいるみてぇだなぁ。おっし行くか!」
クルスは大剣を構えながら音のする方へ静かに近づいていった。
そして見えてきたのはオーガ・・・と交戦中の男装をした少女だった。少女は必死に避けているようには見えなかった。むしろ退屈そうに、ただひたすらに避けていた。まともな武器を持っていないようだった。そんな光景を見ていると、オーガが破壊したであろう岩のに少女がつまずき転んだ。
クルスは瞬時に少女を助ける行動に移った。オーガが少女に攻撃を加える前に一気に近づき、オーガの首を跳ね飛ばし命を刈り取った。
「お前!だいじょうぶか!」
すぐに少女の方に駆け寄った……が、少女はなぜか笑っていた。とても嬉しそうに。さっきまで死んでもおかしくない状況だったのにもかかわらずだ。
「お前何で笑ってんだ!死んでもおかしくなかったんだぞ!」
人をとんでもなく心配させたにもかかわらず笑っていた少女は、ただ一言こういった
「これ、楽しいですね」
主人公はちょっと人の心が読めないのです!




