独り 2
昨日も蜜綺さんは帰って来なかった。
もしもの為の二人一組。
けれど私はずっと一人。
今も、そう。
助けて欲しい訳ではないけど、一人ぼっちは正直怖い。
寝起きも一人。
待機も一人。
準備も一人
移動も一人。
今も一人。
道は間違っていないと思う。
ナビゲーションに従ってるし。
全体図だって確認した。
メッセージだって。
なのになんで?
なんで誰も居ないの?
不安ばかりが膨らんでいく。
誰でもいいから傍に居て欲しい。
そんな自分がみっともなくて。
「何なのこれ?」
強がることしかできなかった。
「手順も何も訓練と違うし!やってた意味ないじゃない!」
それは効果てき面で、
「蜜綺さんが悪いんだ!肉食とかいって、自分ばっかり…自分ばっかり!」
言えば言う程、気持ちが強く、
「別に?そういうのじゃないし?違うし。しょうがないじゃない。しょうがないでしょ!?」
なっていく気がして、
「私だって…怖いものは怖いんだから!」
それだけだった。
何も変わらない。
何も得られない。
涙があふれる。
体が震える。
自分はいったい、誰に言い訳してるのだろう。
恥ずかしさと、惨めさと、心細さと、恐怖と、不安と、八つ当たりのような怒り。
頭の中はぐちゃぐちゃだった。
「なんでよ…」
「日之下君?」
「ひいぃっ!?」
息が上手く吐けない。
体の力が上手く抜けない。
深呼吸をさせてください。
「大丈夫かな?」
ふわりと頭を撫でられた。
声を上げて泣いてしまった。
落ち着くまで撫でててくれた
抱きしめてくれればドラマチックだったのに。