表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こうかい日誌 上巻  作者: A.I.
1日目
9/99

独り 2

昨日も蜜綺さんは帰って来なかった。

もしもの為の二人一組。

けれど私はずっと一人。

今も、そう。

助けて欲しい訳ではないけど、一人ぼっちは正直怖い。

寝起きも一人。

待機も一人。

準備も一人

移動も一人。

今も一人。

道は間違っていないと思う。

ナビゲーションに従ってるし。

全体図だって確認した。

メッセージだって。

なのになんで?

なんで誰も居ないの?

不安ばかりが膨らんでいく。

誰でもいいから傍に居て欲しい。

そんな自分がみっともなくて。


「何なのこれ?」


強がることしかできなかった。


「手順も何も訓練と違うし!やってた意味ないじゃない!」


それは効果てき面で、


「蜜綺さんが悪いんだ!肉食とかいって、自分ばっかり…自分ばっかり!」


言えば言う程、気持ちが強く、


「別に?そういうのじゃないし?違うし。しょうがないじゃない。しょうがないでしょ!?」


なっていく気がして、


「私だって…怖いものは怖いんだから!」


それだけだった。

何も変わらない。

何も得られない。

涙があふれる。

体が震える。

自分はいったい、誰に言い訳してるのだろう。

恥ずかしさと、惨めさと、心細さと、恐怖と、不安と、八つ当たりのような怒り。

頭の中はぐちゃぐちゃだった。


「なんでよ…」


「日之下君?」


「ひいぃっ!?」


息が上手く吐けない。

体の力が上手く抜けない。

深呼吸をさせてください。


「大丈夫かな?」


ふわりと頭を撫でられた。

声を上げて泣いてしまった。

落ち着くまで撫でててくれた

抱きしめてくれればドラマチックだったのに。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ