1995年の空気感 と 当時の流行歌 と 映画の散文的感想?⑥ 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』 前篇
皆様
いかがお過ごしでしょう
今何処にいて誰を思い、何を思っているのでしょうか
自分を隔てているモノは何でしょうか
その制約は何がもたらしているのでしょう
私が私でいられることができるのはどうしてなのでしょう
孤独な魂の安住の地は、何処にあるのでしょうか
作品が発表された1995年という時代から
当時の私の好きな流行歌を交えつつ
猫のように気まぐれで観照的
たまに論理的な映画の散文的感想を綴りたいと思います。
今回も少しでもどなたかの琴線に触れて頂ければ本望です
散文的な感想をネタバレにならぬよう細心の注意を払いつつお届け致します
では私のをかしを
徒然なるままに
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
彼女は自分を隔てていた全ての垣根を越え、制約のない広大な世界へと旅立った
「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」
原作
士郎正宗
音楽
川井憲次
脚本
伊藤和典
監督
押井守
出演
田中敦子
大塚明夫
山寺宏一
大木民夫
玄田哲章
製作
Production.I.G
まずはINTRODUCTION
すでに『散文的おススメ映画とアニメなど』で一度簡単なご紹介をしておりましたが、4K Blu-rayにて再観賞した喜びと感動を書き留めたいと執筆を始めました。
押井監督作品がとっても好きなのに、半分以上理解が及んでいない部分があると思いますので、草薙素子「少佐」風の語り口といつもの私で作品の魅力をお伝えできればと思います。
私と作品との出会いや趣向はもちろんのこと、今回から当時の空気感、流行も感想に沿った形で纏めていきたいと思います(次回もやるかは不明瞭です(;^ω^))
最初の切り口として、
ではまず1995年、
希望を持ち活気に満ち溢れながらも、何処か寂しげなのに強気でいようともがいている、そんな年だったかなって、アイデンティティがまだ確立もされていない年齢だった当時の私が、こんなこと書くのは可笑しいですけれど、あの時の雰囲気、日本の空気感はそんな感じだと推察します。
スクラップandビルドを繰り返しながら、平成が固まりつつある。そんな年
「新世紀エヴァンゲリオン」の放送が始まり、夕方のアニメ番組としては暴力的だと不適切って叩かれ、低空飛行の視聴率から物議を醸し出した最終2話の衝撃でヲタクは悶えます。
私の地元ではリアルタイムでは放送していなかったので、東京にいる親戚にアニメの録画を頼みました。きっかけは商店街のプラモショップ(?)っていう場所で、異様な甲冑を着ているみたいな紫のロボットがカッコいいと気になったのがエヴァとの出会いです。
「男の戦い」から録画してもらったので、何が何だか意味も不明でしたけれど、ここから私はエヴァにどっぷりハマります。
それは別のお話ですので、また違う機会に
話を戻しまして、流行歌のお話をします。1995年の空気感をここから掴んで頂きましょう!
当時を懐かしみながら、温かい目で読んで下さいね(汗)
まずは篠原 涼子さんは「もっと、もっと」と言いながらも
「愛しさと切なさと心強さと」をいつも感じて
SMAPさんはみんなに「がんばりましょう」と
かっこいいゴールがないって口にして
TOKIOさんはあいつに届かない想いじゃ悔しいから
「ハートを磨くっきゃない」ってキュン死しそうなことをして
大黒摩季さんは「ら、ら、ら」と口ずさんで今日も明日も会いたいと
「一番近くにいてね」と叫び
B'zさんは
「Love me,I Love you」と愛をもっと出せるのにけっちていたせいで
「ねがい」を叶えられず
辿り着いた「MOTEL」の小さなベッドの上で眠りながら
「Love Phantom」だと喚き散らして、何もかもいらないと捨ててしまい
Dreams come Trueさんは
好きなことを好きだって伝える為に「Love Love Love」と涙を流し
シャ乱Qさんは
ずっと「ズルイ女」と一緒にいたいけど
結局はByeByeありがとうさようならって殴り捨てるように何度も繰り返し
JUDY and maryさんは
「OVER DRIVE」でもっと遊んでと風みたいに歌い
H Jungle with tさんは
たまには肩を並べて飲みたいって言ってたくせに、
全然暇にならずに時代に追いかけられ、自分を守ろうと
「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント~」で囃し立て
MANISHさんは
「煌めく瞬間に捕われて」散々な夢に目を醒まして終わらぬ旅に出て
ZYYGさんはBadnewsを突き抜けさせ
灼熱色の眼差しで
「ぜったいに 誰も」操れないと夢を抱いて明日を叩き
スピッツさんは
ありふれた魔法で作り上げた誰も触れない二人だけの「ロビンソン」で
空に浮かべて宇宙の風に乗り
本名陽子さんは耳をすまして
この道をずっと行ってあの町「カントリーロード」へと突き進み
TWO-MIXさんは
雨に打たれながら
「JUST COMMUNICATION」って色褪せない熱い想いを身体中で伝え
広瀬 香美さんは
真冬の恋に絶好調でスピードに乗って
「ゲレンデがとけるほど恋したい」って幸せのゴールへ向かって行き
My Little Loverさんは
一人になって、二人でいた時の記憶の中で、
ずっと生きていけると囁かれた「Hello, Again 〜昔からある場所〜」で
愛が彷徨う影を見て、少し泣いた君が見えなかった。
何でしょう、言葉遊びというか、歌詞遊びしてみました。
本当に純真な遊び心です
その当時を容易に思い浮かべることができるって、やっぱり歌の、言葉、メロディーの力って無期に記憶を思い起こさせるものだと、少しばかり、私はノスタルジックになります。
あの時、自分がこうしていれば良かったなどと頭の中で反響させても、結局、目で見ている今を変えることはできないなって、つくづく思い知らされます。
今私がいる世界が虚構であったり、本来あるべき姿になっていないだけの羽ばたいていない鳥であって欲しいと願わずにはいられない日々。
その時代を連想させる歌が少なくないように、自分が自分を構成するために必要なモノは決して少なくありません。
そして、それはある種、あの頃が素晴らしかったと錯覚させ、辛い思い出などぽろぽろするから覆い被せ、笑い話へと変えていく。
歌が記憶を掘り起こさせる引き金になるプログロムなのだとすれば、記憶はドライブであり、過去はメモリーされたファイル、または保存しておいたリカバリーディスクのようなバックアップなのかなって
でも、私たちは機械、プログロムのように正確に記憶を保存できるわけではありません。先程も少しお話ししましたけれど、思い出は補正され、実際に起きた出来事とは異なる場合もある
ということなのかなって思いました。例えるなら「Hello, Again 〜昔からある場所〜」の歌詞が当てはまるかも知れません。
「記憶の中でずっと二人は生きていける」でも「一人になった」現実がある。記憶という虚構の中で幸福な時と愛する人を思う。それは切なくてやり切れないなって考えれば考えるほど感傷的になってきます。
それでも人って、私もそうですけど、記憶、または思い出を作ったり思い返したり、個人差はあれど人柄が反映され、経験となり自分を作っていくのかなって思います。
例え記憶が書き換えられ虚構であったとしても、魂の救済は常に優先されるべきことです。
だから私たちを個人として、人として形成する為に必要なのは記憶であり、記憶によって私は私であり、あなたはあなたでしかない。
個人と魂が同義語なら、過去と経験という記憶は魂の傷跡、証とでも呼称しましょう。そして、記憶との同義語は情報であり、だからこそ、情報、記憶は個人であり、私であり、あなたであり、それが魂ではないのでしょうか
変に哲学っぽいようなことを書いている風ですけど、作品の受け売りというか(私的お気に入りセリフなので、後編でたっぷりご紹介します)どっぷり没入して語ってみました。散文ですからね
攻殻機動隊のメインテーマ、また「少佐」風に書き綴りますが、
人であること、それがテクノロジーの発展により人と機械、生命の境界線の崩壊という問いかけ
人の、魂の定義とは何かを私たちに語り、そして思考の探求という広大な海原へと導いてくれる
では、ここからはいつもの私風に
人が人であるって、その条件っていったい何でしょうか
本当に自分が自分であることを証明するのに必要なのは、相手に識別される顔や声、肉体、性格なのでしょうか
そんな面白いことを考えさせる面白い映画ですね。
ではここから作品との出会いです
まだビデオ全盛期でレーザーディスクは高価で販売のみ
DVDが一般に普及するきっかけとなる「マトリックス」の登場までまだ5年のブランクがあります
やっぱり映画の子だった私は
様々なジャンルの作品を好き嫌いせずにレンタルしていました。映画にアニメにドップリですね
毎週欠かさず見ていた
「赤ずきんチャチャ」
「怪盗セイントテール」に
「飛べ! イサミ」
「あずきちゃん」
そして
キャラデザとOPが魅力的に感じたのでずっと見ていた「機動戦記ガンダムW」
私にとってのファーストガンダムです
ここから、興味がなかったのに私は父から「機動戦士ガンダム」の劇場版3部作(本当のファーストガンダムと呼ばれているアムロとシャアの作品です)
それでガンダムシリーズを父と一緒に歴史を共に見ていき
この当時の新作OVAシリーズ「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」を見た時です(主題歌「嵐の中で輝いて」は素晴らしい歌詞です!)
本編開始前の予告と本編終了後の予告を私はいつも楽しみにしていました。
場面の継ぎ接ぎと台詞から作品を妄想して楽しんでいました。
それは映画でも一緒です。
確か、予告がいっぱい入っていると8分弱の尺はあった気がするほど多くの予告編がありました。
映画を借りるとそんな感じですが、アニメをレンタルするとほぼほぼ本編終了後に
「10月の新作」ってテロップから予告が始まりました。
でも、今考えても不思議なんですけど、アニメの予告編って短いものが多くて、短いのに情報量だけはやたらとあった、そんな記憶です。
私はそこで初めて、予告編で「攻殻機動隊」と出会うのです。
先程ご紹介したラインナップのアニメしか見ていない純朴(!?)な時代の私ですから、
初見で「攻殻機動隊」のキャラデザは怖かったという印象しかありませんでした。
本作品をご存じなくても耳にして全自動で毛穴開放が起きる川井憲次さん演奏・作曲・編曲
「謡III - Reincarnation」が流れていたっと思います(15秒か30秒くらいの予告だと流れていないものがありますが、確か劇場予告編が入っていた……かな?)
その時多分、ただ思っただけだったり、もしかしたら口に出したりしてました
「何この曲? 何語? 中国語? っというかこのアニメ何? 怖っ」ってなっていたような気がします
しかしてそんなことを思っていましたが、私は運命的に「攻殻機動隊」に向き合い、映像も言わずもがなですが、その世界観と物語の虜になっていく。
あれから5年
時に西暦2000年
次世代ハードPS2発売から瞬く間にDVDが爆発的に普及
VHSよりも安価になり、お手頃に作品をコレクションにできる環境へと変貌していく
その爆発を引き起こしたのは1999年の映画
見れば見るほど好きになる
「スターウォーズ エピソード1 ファントムメナス」
衝撃のラストに途中で気付いてもやっぱりハンカチ必須の
「シックスセンス」
トム・クルーズの再々リメイク(?)リブートよりも、
やっぱりインディ的残酷ギャグと登場人物みんながとっても大好きな
「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」
ジャッキー本格ハリウッド進出作にしてエドウィン・スターの「WAR」との相性抜群な
「ラッシュアワー」
クリス・アイザックの「 baby did a bad bad thing」が最高に痺れる予告編を一目見た時から見たいと思い、R-18で未成年の私ではレンタルすることが叶わず
父に五体投地してまで頼み込んで見た巨匠最後にして最大の問題作
「アイズワイドシャット」
まだまだいっぱいありますが、愛が溢れすぎて割愛させて頂きます
ただこれだけ別格扱いさせてご紹介させてください
ティーンエンジャー版「マイ・フェア・レディ」にして
シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーの最高のラブソング「KISS me」が
泣かせて最高に尊死する
「シーズオールザット」
などなどのヒット作、話題作に囲まれながら特大ヒットし、アクション、SF、サイバーパンク映画の歴史を変え、未だサブカルチャーに影響を与え続ける金字塔
「マトリックス」
劇場での興奮と感動、お小遣いでビデオよりもお手軽に購入できるようになったのを機に、私は「マトリックス」を手中に収め、家族で鑑賞
(父と母にゲームしないのに
十八番の戦法(!?)五体投地でせがんで買ってもらったPS2が再生機器でした
※PS2は後で父が楽しく「ゴルフ」で遊んでました)
その後、父がふと口にした言葉から始まったのでした。
「これは凄い映画だな、感想がそれしかまだいえない。何度でも見れるし、本当に映画の歴史を変えるな。そういえばマトリックス映画館で見に行ったのか?」
「うん、ワイルドワイルドウエストと二本立てで見た。
本命がマトリックスだったから、最初にWWWで良かったよ。
見る順番間違ってたら、きっと私たち(グループで見に行きました)後悔してた」
(ワイルドワイルドウエストが好きな方ごめんなさい。この時の私は口が悪かったのです)
「パンフレットあるか?」
「もちろん買ってあるよ」
「作品を知りたいから読ませてくれ」
「うん、良いよ」
そして、パンフをお読みなっていた父がふと、風に乗せた言葉
「影響を受けた日本のアニメ映画で『AKIRA』は解るけど
『攻殻機動隊』って見たか?」
「見たことないよ。名前は聞いたことあるし、予告編とパッケージは見たことある」
「見てみよう」
ここでようやく私は「少佐」と邂逅することになるのでした。
長文になりましたので前後編に致します。
今回は久方ぶりにかなり乱文でいて、散文的ですね
後編は本編のあらすじから散文的感想を綴ります
素敵な物語との出会いのお手伝いができれば幸いです。
また次回、お会いできれば嬉しいです
感想・評価・リクエストなど気軽にお寄せ頂けたら幸いです




